価格高騰の金で「買い取り」トラブル 大手チェーン店に「してやられた?」 基準不明確で不安の声も
今年4月、消費者庁は買い取りサービスに関する実態調査の結果を踏まえ、景品表示法上の考え方を整理した「買取サービスに関する実態調査報告書」を公表した。
調査によると、買い取りサービスの市場規模は23年時点で約1.3兆円と推計されており、一般消費者の利用機会は年々増加している。
また、消費者への意識調査では、店頭買い取りの利用経験がある人は66.0%と高い一方で、訪問・出張・宅配など店舗以外の買い取り形態を利用したことがない人は72.4%に上った。
さらに、買い取り店を利用したことのある消費者に、実際の買い取り価格や査定価格について尋ねたところ、約半数が「表示から予想していた価格を下回った」または「表示どおりには買い取ってもらえなかった」と感じているという。
「そもそも、買い取りという仕組みに問題点があります」
そう語るのは、佐賀大学客員教授で武雄法律事務所の弁護士・大和幸四郎さん。
賢い選択がしにくいという問題
「消費者が何かを『買う』ときには、スーパーのチラシなどでどこが安いか比較して、より安いほうを選ぶ。
つまり、“賢い選択”ができます。ところが『買い取り』は、ほとんどの人は慣れていない。『どこが高く買い取ってくれるか』という情報も十分に流通していません。そのため、賢い選択がしにくいという問題があるのです」(大和弁護士)
商売の基本は「安く仕入れて高く売る」。買い取り業者は、消費者が「売りたい」と店舗に持ち込んだり、ネットで売却したり、出張買い取りサービスを依頼したりする際には、当然ながらなるべく安く買い取りたい。
そのため、消費者は買いたたかれてしまうケースも出てくる。
特に「出張買い取り」には多くの苦情が寄せられている。

















