「鬼滅の刃」「国宝」…《25年の映画興行》が"超盛り上がった"ワケ 実は「新たな動き」も生まれていた

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

下半期は、前述のアニメ2作が世間の話題を独占した感がある。しかし、それ以外にもヒット作はある。

人気ゲームを原作にする『8番出口』は、51.5億円のスマッシュヒットになった。ホラーファン層の地盤と、主演の二宮和也の安定した人気があるなか、原作ゲームファンのほか、東京メトロとの大々的なコラボキャンペーンで間口を広げた。企画とプロモーション戦略に長けた作品であり、今年の注目すべきヒット作のひとつになる。

歩く男
歩く男を演じた河内大和(写真:(C)2025 映画「8番出口」製作委員会)

人気ドラマの劇場版『劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』は、52.7億円の大ヒット。前作の劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(23年)も45.3億円を記録していたが、それを上回ったことに意義がある。邦画実写のヒットスケールが縮小するなか、テレビ局製作のドラマ劇場版のヒットポテンシャルを改めて示した。

また、フジテレビによる『爆弾』もこの年末のロングヒットになり、すでに25億円を超えている。近年ではヒットしないドラマ映画も多いが、テレビ局製作映画が依然として大ヒットを生み出す興行を支えるひとつの大きな流れであることは変わりない。

『爆弾』
『爆弾』で主演の山田裕貴(写真:(C)呉勝浩/講談社 2025映画「爆弾」製作委員会)

大ヒットが期待された大作の“大コケ”も…

一方、期待された結果が得られなかった大作もあった。

製作費25円と言われる『宝島』は、戦後のアメリカ統治下の沖縄が日本復帰するまでの20年間を描いた社会派エンターテインメント大作。センシティブな題材に真正面から臨んだ、終戦から80年を迎えた今年公開する意義のある作品だったが、興行は苦戦した。

次ページ待望の細田守作品は不発に
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事