「麺はスープより原価が安いから」と言われがちだが…つけ麺「大盛無料ナゼ?」の裏にある奥深い歴史

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この大盛り文化は、その後に続く多くのつけ麺店にも影響を与えている。特に代表的なのが、成増の名店「べんてん」(かつては高田馬場)である。

入り口
「べんてん」(写真:筆者撮影)
「べんてん」のつけ麺
「べんてん」のつけ麺(チャーシュートッピング)(写真:筆者撮影)

ここも並でも大勝軒に負けず劣らずのボリューム感。むしろ「量が多くないと、つけ麺とはいえない」といった価値観すら漂っていた。こうして、「つけ麺=大盛り」という方程式は、自然発生的に首都圏のラーメン文化に根付いていったのである。

“極太・大盛無料”として、今の形に落ち着く

2000年代に入ると、“極太・大盛無料”というスタイルが大衆的な展開を見せ始める。なかでも重要な役割を果たしたのが、「つけめんTETSU」や「つけ麺屋 やすべえ」などの店舗だ。

これらの店は、大盛無料という画期的なサービスを打ち出し、若者やサラリーマン層の胃袋を一気に取り込んだ。特に「やすべえ」は、00年代半ば以降、都心部のオフィス街や駅近を中心に多店舗展開を行い、「大盛無料」はつけ麺におけるスタンダードへと進化した。

やすべえ
「つけ麺屋 やすべえ」。大盛無料は、若者やサラリーマン層の胃袋を一気に掴んだ(筆者撮影)
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