「野球も人生も、失敗が勝因になる」栗山英樹がWBCの激闘で感じた、理屈を超えた"縁"の力
それで、「よし、今回は認めてやる」って言ってもらうために何をしたらいいのか。答えは分からないんですけど、どうしたら運を引き寄せられるかを徹底的に考える中で大事だと思うのは、やっぱり人のために尽くしたり人に喜んでもらったりすることです。
「無私」で勝運をつかんだ
WBC世界一の勝運を呼んだものは、ひと言で言えば「無私」ですね。選手たち全員が自分を捨ててくれた、自分のことよりチームが勝つために何をするかに集中してくれたことだと思います。
あれだけ能力の高い一流の選手なので当然プライドもある。でも、ずっと試合に使ってあげられない選手もいるわけです。その時に、普通は「俺を使えよ」「なんで出してもらえないんだ」みたいな気持ちが心の中で生まれますよね。
大会の途中から皆がそういう私心を消してくれて、ベンチにいてもとにかくチームが勝つために明るく声を出して盛り上げるとか、誰かが活躍すると心の底から喜んでくれましたし、そういう空気がやっぱりチームを引っ張って前に進めたという実感があります。
全員が自分を捨ててくれてチームのために尽くしたら、勝ちに近づく可能性が高いと考えて、「全員がキャプテンだから、一人ひとりが俺のチームだと思ってやってほしい」と言ったんですけど、いくら言葉で説明しても伝わらないケースがあるじゃないですか。でも、やっぱり選手が自分の心の中にスイッチをポンと入れてくれる瞬間ってあると思います。
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