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YouTube2.7億回再生の名曲誕生秘話 「スキャットマン」悩みだった吃音症を武器に大成

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  • 真山 知幸 伝記作家、偉人研究家、芸術修士(MFA)

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アニメ『ワンダンス』の第1話が放送されると、ネット上で驚きの声があがりました(画像:ベスト・オブ・スキャットマン・ジョン)
「アニメの中で実在するMVが流れるとは……」。2025年10月8日にアニメ『ワンダンス』の第1話が放送されると、ネット上では、そんな驚きの声があがりました。そのMVとは、スキャットマンの「Scatman Ski-Ba-Bop-Ba-Dop-Bop」。1995年に大ヒットした曲で、この曲が収録されたアルバムでは日本国内だけでもアルバム売り上げが250万枚を達成しています。
アニメ『ワンダンス』は、吃音症の主人公・小谷花木が周りの目を気にせずダンスを追い求めるストーリーですが、スキャットマンもまた吃音症に苦しめられ、悩んできた一人。しかし、ある日、スキャットマンは妻の言葉をきっかけに、吃音症をむしろ生かそうと考えます。
そこには、どんな人生ドラマがあったのでしょうか。著述家の真山知幸氏の新著『下積み図鑑 すごい人は無名のとき何をしていたのか?』から一部抜粋・再構成し、スキャットマンの波乱万丈な人生を紹介します。

吃音をバカにされて打ちのめされた

周りに知られたくない自分のコンプレックスを武器に変えた歌手がいる。

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1995年に「スキャットマン」という曲によって、ヨーロッパを中心に世界中のヒットチャートで旋風を巻き起こした。ジョン・ポール・ラーキン、通称「スキャットマン・ジョン」だ。

1942年にカリフォルニア州で生まれたジョンは、話し始めた頃から重度の吃音に悩まされた。当時のことを「流暢に話せていた記憶がない」と振り返っている。

近所の子どもたちから、吃音を大声で真似され、バカにされては、傷ついて打ちのめされる日々。相手に向かっていこうとしたところを、そばにいた父に止められたこともあった。「止められなければ、何をしていたかわからなかった」というくらい怒りに震えていた。

しかし、12歳のときにピアノと出会うことで、ジョンの人生に光が差し込む。14歳のときに聞いたエラ・フィッツジェラルドの「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」でスキャット・シンギング(楽器の音を模倣するように声を使う方法)に魅了されて、ジャズにどんどんハマっていった。

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【音楽は言葉に代わる表現手段】

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