受験生「クリスマスやお正月にどれくらい休んでいい?」 東大合格者が語る「自己判断は危険」の真意とは

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だからこそ、「甘えかどうか?」という問いには、実は答えがありません。休むことが甘えになる場合もあるし、休まないことが逆に“非効率な根性論”になる場合もある。大事なのは、質問者さんがどんな状態にあるのか、ということなんですよね。

唯一のおすすめの方法

僕がいちばんおすすめする方法は、自分が一番信頼している大人に聞いてみることなんです。親でも先生でも、塾の担当でもいい。こう言ってみてください。

「自分は、大晦日と元日は休んだほうがいいでしょうか? もし“甘えんな、勉強しろ”と言うならもちろん勉強します。でも“最近根を詰めすぎだから、この日くらいは休んだほうがいい”と思うなら休みます」

この聞き方が大事で、言い換えると「客観的な判断をください」というお願いなんです。受験生本人が自分の状態を正確に判断するのは、ほぼ不可能なんですよ。

人は根を詰めているときほど、「自分はまだいける」「まだ頑張らなきゃ」と暴走しがちです。その状態になると視野が極端に狭くなり、ケアレスミスが増えたり、いつもなら簡単に解ける問題に引っかかったり、自己否定に陥ったりします。気持ちは焦っているのに脳は疲れている──これがいちばん危険な状態です。

逆に、本人は「疲れたから休みたい」と言っていても、客観的に見たらまだ余力があり、休んだらリズムを崩すだけ、というケースも普通にあります。

こういうふうに、“休むべきかどうか”というのは本当に人によるし、その判断は自分ではつけられません。だから、信頼できる他者の目が必要なんです。

実際、僕自身にも似た経験があります。受験生のとき、ある日突然、母親がいきなり「アンタ顔色悪いから今日は勉強禁止ね」と言ってきたんです。

僕は「はあ? 今? このタイミングで?」と本気でキレそうになりました。でも、後から考えると、あれは完全に正しかったんですよね。自分では「まだ頑張れる」と思っていても、明らかに疲れ切っていて、効率が落ちていたんです。親の目のほうがよっぽど正確でした。

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