そうすると「どうせだからパソコンを立ち上げ、ファイルを開くところまではやろう」ときっと思えるでしょう。
大事なことは「とりあえずファイルを開く」ところまで自分を少しずつもっていくこと。
そこまでいくと、「思っていたほど、大変じゃないかもしれない。だったら、少しだけやってみようか」と考えるかもしれません。やり始めると、徐々に「ここまでやったのだから、最後までやってしまおう!」と思い、結局最後まで終わらせることができるのです。
それは私が単純だから……もあるかもしれませんが、「目標勾配効果」と呼ばれる行動経済学の理論に基づいているのです。
嫌なタスクでも始めたからには終わらせたい
同じようなことは、日常生活にもよくありますよね。「あー、食器を片づけるのがめんどうくさい」と思っても、「グラスだけでもキッチンに下げよう」と思ってグラスを下げると「せっかくだから食器も下げよう」と思えるし、「グラスだけでも洗っておこう」と思えば「スポンジの泡が残っているから、食器も全部洗ってしまおう」という気持ちにもなるのです。
人間は区切りをつけることが好きです。たとえばセルフサービスのガソリンスタンドで給油するとき、多くの人は10リットルぴったりを給油しようとします。別に9.7リットルでも10.3リットルでもいいはずなのに、10という区切りを意識せずにはいられないのです。
同じように、やり始めたタスクはある程度区切りのいいところまでやらないとネガティブアフェクトが生まれます。そのアフェクトを利用すると、あら不思議。あんなにめんどうだった作業なのに、思いのほか短時間で終わってしまうというわけです。
このときの達成感は大きいので、「私ってエライ!」と意識的にポジティブアフェクトを喚起させるのもポイントです。
行動変容には報酬が重要だと書きましたが、自分で自分をほめることは大きなごほうびになります。そうすることによって、「やりたくないタスクを、さっさと終わらせることができた」という成功体験は、次のタスクに向かう勇気をくれるはずです。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら