あえて宣言してしまうことで、本来の締め切りはまだ先だったとしても、「自分で宣言した締め切りを守れないのは問題だ」という気持ちになります。プロ意識としてネガティブですし、これが続くとオオカミ少年になって信頼を失います。
これは、まわりの人にも共有された期待を行動のきっかけにする、社会的規範トリガーです。信用を失うかもしれないというネガティブアフェクトこそが、トリガーとしての威力を発揮するのです。
評価を高めるより「下げる怖さ」を重視
これは、人間のもつ「損失回避性」を意識したトリガーともいえます。
人は利益を得るとうれしいものですが、その喜びよりも、損失をこうむることの痛みのほうが2倍以上大きく感じられることがわかっています。1万円もらえた喜びよりも、1万円失った悲しみのほうが大きく、強い印象を残すということです。
宣言を守れないと「自分で言った締め切りを守れなかった相良さん」になり、評価を下げてしまう。それに対して人は特にネガティブアフェクトを感じるのです。
ですから、あえてその状況にすることで「評価を下げないためにやらなくちゃ!」と動き始めることができるのです。これは特に周囲の目や評価を気にしがちな日本人には向いている方法かもしれませんね。
「やったほうがいいんだろうけれど、やらない気がする」というときには、「まず宣言する→実行する→報告する→ねぎらい・ほめ言葉」という一連の流れをつくってしまいましょう。
「終わりました!」と報告して「お疲れさま」と周囲に言ってもらえれば、仕事に対するポジティブアフェクトが生まれますよね。さらに、そのポジティブアフェクトはまわりに伝染して、「みんな気分がいい」という好循環をつくることができるのです。
行動経済学でよく用いられる手法の1つ。人は他人の目を意識し、多くの人が望ましいと思う行動(社会的規範)にできるだけ基づいて行動しようとする傾向がある(エスカレーターの片側をあけて並ぶのもその一例)。
それを個人の行動の中にも取り入れることで、改善したい習慣を変えていく。
カーネマンらによって提唱された「プロスペクト理論」(人が利益や損失をどのように評価して意思決定を行うかを説明する、行動プロスペクト理論経済学の代表的な理論)の中心的な考え方の一つ。
「人が感じる損失の痛みは、同じ額を利益として得た場合の約2倍の強さで感じる」とされている。そのため人は損するリスクを避けて安全策をとろうとするので、「現状維持バイアス」(前記事参照)が働きやすくなる。
ビジネスの世界では、あえてリスクをとることが成功につながることも多いので、「損失回避性が優位になりすぎている!」と気づいたときには要注意。
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