「気分が落ち込む」「食欲が止まらない」「いつも眠い」…こんな症状があったら要注意。今すぐ始めたい"冬の3大症状"改善法【医師が解説】
また、冬はメラトニンの分泌が相対的に増えるので、日中も眠気に襲われやすくなります。これが、低気温に対して代謝を下げようとする体の反応と重なって、過眠となります。
そして、体重増加は炭水化物の過剰摂取と、過眠や低気温で運動量が低下することが重なって起こる症状といえます。
すぐに始めたい冬季うつ対策
では、冬季うつ病にはどんな対策が必要でしょうか。
最も効果的なのは、言うまでもなく「光をたくさん浴びること」です。冬の晴れた日には外に出て、日の光を浴びましょう。目安として1万ルクスという明るさの光を、1時間程度浴びるのが効果的とされています。
参考までに明るさについていうと、雨の日の屋外が5000ルクス、曇りの日が1万ルクス、晴れの日が10万ルクスです。
一方、人工光では一般のオフィスの照明で500~1000ルクス、住宅照明では300~500ルクスです。屋内では十分に光を浴びることが難しいのですが、それでもできるだけ日当たりの良い部屋の窓際にいることが大事。猫になった気分で、日光浴をして過ごしてみてはいかがでしょう。
実は、冬季うつ病の主要な治療として、人工光を体に照射する方法が実際に行われています。これは2500~10000ルクスの高照度の光を1〜2時間ほど照射するというものです。
体内時計のズレを改善するという意味では、「朝に日を浴びること」も大事です。
また、できるだけ就寝時間・起床時間を決めて、規則正しい生活をするようにしましょう。睡眠時間には個人差がありますが、7時間ほど眠れれば問題ないと考えられています。
週末に「寝だめ」をしておけば、日頃の睡眠不足に対する「貯金」になると思っている人がいますが、これはそれまで眠れなかったぶん(睡眠負債と呼ばれます)を取り戻しているだけ。貯金にはなっていないので、ご注意ください。
日に当たる、規則正しい生活をするといったことのほかに、適度な有酸素運動(毎日20~30分、または1日30~60分を週に3~5回)も重要です。運動がセロトニンの分泌を促して、副交感神経系を優位にすることがわかっています。



















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