「気分が落ち込む」「食欲が止まらない」「いつも眠い」…こんな症状があったら要注意。今すぐ始めたい"冬の3大症状"改善法【医師が解説】
メラトニンは「睡眠ホルモン」と呼ばれていて、人間のさまざまな周期的なリズムを刻む「体内時計」において重要な役割を持つ物質です。メラトニンはセロトニンを材料として作られています。
メラトニンは起床してから14~16時間後に分泌量が増加して眠りを誘い、朝日を浴びると減少して私たちを目覚めさせます。逆に、セロトニンは、朝日を浴びることで分泌が増えます。
セロトニンが十分に分泌されないと、メラトニンも十分に作られないため、結果として眠りの質を下げてしまいます。そして、これがメンタルの不調をもたします。
反対に、セロトニンやメラトニンの合成と分泌のサイクルがうまく回れば体内時計が整います。良好な睡眠を確保できることで、安定した気分でいられるのです。
「体内時計のズレ」も関係
日照時間が短くなる冬は体内時計がずれて、時差ぼけと似たような状態になりやすいです。時差ボケと似たような現象を「睡眠位相のずれ」といいますが、この現象は自律神経系に影響を及ぼします。
自律神経系は、交感神経系と副交感神経系の2つがバランスを保ちながら24時間働いています。ところが、日照時間が足りないと日中に活動が優位になる交感神経系が夜間にも休まなかったり、夜間に優位になる副交感神経の働きが抑えられたりしてしまいます。
その結果、体の不健康だけでなく、メンタルにも深刻な影響をもたらしてしまうのです。
そして先ほど挙げた冬季うつに伴う特徴的な症状は、まさにこのセロトニンやメラトニン、そして体内時計のズレによってもたらされるものといえます。
具体的にいうと、過食――特に炭水化物(ごはん、パン、甘いもの)の過剰摂取が特徴的ですが、これらを摂取すると脳内でのセロトニンの分泌が促進されます。冬季うつ病ではセロトニンが不足しているので、脳が炭水化物を求めるために生じる症状と考えられているのです。
過眠については、冬の時期は、日照時間が短くなることで夜が早く来るため、そのぶん就寝時間が早まりがちです。すると、体内時計をつかさどるメラトニン分泌のタイミングが狂うため、体内時計のズレをもたらし、過眠になりやすいのです。



















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