「監獄で銃を頭に突きつけられた」「怖い犬が入ってきた」。イスラエル軍に拘束された「イタリア人活動家」が激白…《ガザに向かった船団》の舞台裏

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デモの様子
イタリアでは9月以降、ほぼ毎週末、人が集まり抗議活動が行われている。写真は9月4日にトリノの王宮前に集まった人々。「政府与野党はジェノサイドの共犯」「連隊することが市民の武器だ!」と書かれている(写真:筆者撮影)
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10月10日、アメリカのトランプ大統領の仲介もあり発効したイスラエルとハマスの停戦合意。それまでガザの惨状を連日伝えていた各国メディアは鳴りを顰め、今ではすっかり平和が訪れたかのような印象を与えている。

だが実際には空爆は続いており、この2カ月の間にイスラエル軍の攻撃によって亡くなったパレスチナ人は350人を超えた。ガザへの支援物資は入らないままで飢餓は終わらず、医薬品、寒さを凌ぐための物資もまったく足りていないというのが現状のようだ。

そんなニュースを目にするたびに、史上最大の人道支援活動といわれた、あの勇気ある人たちの挑戦、「グローバル・スムッド・フロティッラ」のことを思い出す。

友人が紛争中のガザに向かっていた

9月29日、グローバル・スムッド・フロティッラ(GSF、人道支援物資を持ってガザへ向かう船団)が「危険な海域」に入り、乗員たちは今夜にもイスラエル軍によって拘束されてしまうかもしれないというニュースが、イタリア中を駆け巡った。

その日、私はトリノの自宅で眠れない夜を過ごしていた。「危険な海域」とは、国際法上は公海であり、誰もが自由に航海する権利がある海域を指すが、イスラエル側の主張によれば、ガザ沖の合法的な海上封鎖区域であり、他国の船が許可なく立ち入ることはできないとしている場所だ。拘束されれば厳しい扱いや拷問なども予想されていた。

GSFはイスラエルに異を唱え、パレスチナ人への連帯を示すため、今年の9月から10月にかけて国際的な活動家や市民団体が行った「非暴力の海上行動」だ。

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