「監獄で銃を頭に突きつけられた」「怖い犬が入ってきた」。イスラエル軍に拘束された「イタリア人活動家」が激白…《ガザに向かった船団》の舞台裏

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――船や支援物資はどうなったの?

「イスラエルが全てどこかへ持って行ってしまったよ。全て世界中の人々の寄付からなっていたのに」

「イスラエル軍が僕らを拿捕しようとしている、だから前進するのをやめて、運んでいた支援物資はギリシャのキプロス島から入れようとイタリア政府は提案してきた。

だけどジャム、蜂蜜、チョコレート、ビスケット以外だってね。なぜかというと、それらは栄養価が高くて、パレスチナ人には贅沢すぎるとイスラエルが許可しないというんだ。あまりにひどい話だ。

だから僕らはそれにノーと言った。だって今まで何度もそういう挑戦があっても、支援物資はガザに入らないか、少しだけ入れて、その配給を受けるために並ぶ人々が2500人も殺されてしまったんだよ。だから僕たちは、自分たちの手で運んで、ガザの人々に手渡したかったんだ」

「遅れてごめん、待たせてごめん」

もしガザに到着できたらなんと言う? 

GSFが出港してすぐに、あるイタリア人記者がアブにこう質問した。すると彼は

「遅れてごめん、待たせてごめん、と言いたい」

と答えている。

世界中が、各国政府が何もできずに手をこまねいている。市井の人々は同じ人間として、あまりの惨状に胸を痛めている。その焦燥感を表している言葉だと思う。

そして最後にアブは、こう言った。

「パレスチナは、たくさんの人の心をつないだと思う。政治心情を超えて、別々の政党、別々の市民、保守派、左翼派も一つになった。なぜならこの動きは政治問題じゃなく、人道的、ヒューマニティの問題だからだ。パレスチナは遠いけど、遠くない、自分たちの問題にもなりうることだから、目を逸らしちゃダメなんだ」

先日、11月29日は「パレスチナのための連帯国際デー」で、イタリアでは再び大規模なストライキが行われた。その際に、再びGSFが立ち上がる計画があると発表があった。今度はより大きく、より多くの人と支援物資をのせた巨大船団となってガザへ向かうという。

宮本 さやか ライター

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みやもと さやか / Sayaka Miyamoto

1996年より、イタリア・トリノ在住。イタリア人の夫と娘と暮らしつつ、ライター、コーディネーターとして日本にイタリアの食情報を発信する。一方、イタリア料理教室、日本料理教室、そしてイタリアの人々に正しい日本の食文化を知ってもらうためのフードイベントなども行っている。ブログ「ピエモンテのしあわせマダミン2」

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