実現なら「GOT」や「ハリポタ」など名作も手中に…?Netflixが《ワーナー・ブラザース巨額買収》で得る果実。「エンタメ勢力図」はどう塗り替わるか
シャピロ氏はその上で、「ストリーミング戦争は終わった。勝者はNetflixだ」とも語っています。
つまり、このマップが示しているのは、単なる企業規模の比較ではありません。拡大し続ける企業ほど、人々の時間、注意、消費行動を引き寄せるエコシステムを持ち、その構造自体が産業の重心を決定づけてしまうという現実です。
もはや産業の中心は映画スタジオではなく、「配信 × テクノロジー × IP」を一体で扱える企業です。その文脈のなかでNetflixがワーナーを手に入れれば、地図はさらに大きく書き換わることになります。
今後は「斜めの融合」が加速する
シャピロ氏のマップが「どこに力が集まっているか」を示すものだとすれば、「MIPCOMカンヌ2025」でイギリスの調査会社Ampere Analysisのエグゼクティブ・ディレクター兼共同創業者、ガイ・ビッソン氏が語っていたのは「なぜ構造が変わったのか」という理由でした。
ビッソン氏は、映画館から放送、配信へと続く従来の“公開ウィンドウ”が、テクノロジーの進化によって急速に収束しつつあり、「コンテンツがどこで価値を生むのかが劇的に変わった」と指摘します。その結果、産業全体は4つの領域に再編されつつあるというのです。
1つ目がNetflixやディズニーが牽引する「グローバル制作と流通」で、2つ目は放送局が担う「ローカル制作と流通」、3つ目はYouTubeやSNSが展開する「グローバル流通」、そして4つ目が映画館やケーブルが担い続ける「ローカル流通」という考えです。
なかでもビッソン氏が強調したのは、今後の再編は「水平統合」でも「垂直統合」でもなく、「斜めの融合」が加速するという点でした。異なる領域の企業同士が接点を作りながら生き残り、成長していく流れが強まりつつあるというものです。
その象徴が、放送局とYouTubeの協業や、Spotifyがコンテンツのファンダム形成に踏み込む動きであり、そして今回の Netflix とWBDの主要コンテンツ事業という巨大統合だといえます。
こうして見ると、今回の買収はNetflixがただ大きくなるためのものではありません。配信、制作、流通の境界が混ざり合うなかで、企業がどの領域で主導権を持てるかが、次の競争を左右する段階に入ったということです。


















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