12月8日、政府は2025年度補正予算政府案を提出した。一般会計は、24年度補正予算の規模を越える18.3兆円の増額補正を行う。中でも、物価高対策に2.9兆円(生活の安全保障の分も含めると計8.9兆円)を費やす。
物価高対策というからには、物価高で購買力を奪われた家計の足元の生活支援につながるものにならなければ、功を奏したとはいえない。だから、物価高対策の成否は、足元の家計の生活支援がどれだけできるかにかかっている。
補正予算で追加する歳出の原資の6割に相当する11.7兆円を、国債の増発で賄うこととしている。
そこまでして大規模に補正予算を組んで、これが功を奏すれば、「規模ありき」という批判は当たらなかったということになろう。
しかし、物価高対策を財政支出の増加や減税で行うことは、功を奏しても、奏さなくても、残念な結果になるだろう。
高所得世帯も物価高対策の恩恵を受ける
25年度補正予算政府案で、物価高対策として盛り込まれたのは、子ども1人2万円を所得制限なしに支給する「物価高対策対応子育て応援手当」(3677億円)、厳冬期の電気・ガス代支援(5296億円)、ガソリン税の暫定税率廃止(という形の減税で、年額に換算して1.5兆円)、さらには間接的に、おこめ券の配布などにも使える重点支援地方交付金の拡充(2兆円)などである。
これらが、物価高対策として支障をきたすところは、所得制限をつけないところである。もちろん、物価高対策の施策には所得制限のあるものもある。しかし、物価高対策対応子育て応援手当やガソリン税の暫定税率廃止は、高所得世帯も恩恵を受けるものである。



















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