物価高対策は、さらなる物価上昇をあおらないようにすることが肝要だ。
低中所得層のうち、物価高で購買力が奪われている家計には、その購買力を回復させる意味で給付や減税を行うことは必要である。これは、足元の家計の生活支援に資するから、物価高対策として功を奏したといえるだろう。
ただ、その施策は、どちらかというと、物価高対策というより所得再分配政策というべきものである。
今般の物価高対策の主なものは、所得制限をつけていない。そうすると、高所得層にも、物価高対策対応子育て応援手当やガソリン税の暫定税率廃止の効果が同じように及ぶ。そうすると、物価高でも家計にさほど深刻な打撃がない高所得層の購買力までもがさらに増す結果となる。
低中所得層のみならず高所得層までも購買力が増せば、消費が刺激される。そして、需要が増える。
需要増の一方、供給増は数年後、物価高をあおる
他方で、供給力は、人手不足も相まって急には増やせない。25年度補正予算政府案にも、供給力強化策は盛り込まれているが、その効果が表れるのは数年後である。
そうなれば、短期的には需要が増える割には供給が増えないから、物価は上がりさえすれ、下がりはしない。
要するに、所得制限なしに財政支出を増やしたり減税をすれば、需要を刺激しすぎて、物価高をあおる結果になる。だから、物価高対策として足元の家計の生活支援として奏功しても、物価高をあおることになって、またぞろ物価高に悩まされ続ける羽目になる。いたちごっこである。
他方、これだけ大規模な補正予算を組んでも、物価高をあおることにはならない、ということだとどうなるか。
確かに、物価高対策対応子育て応援手当で子ども1人2万円をもらったら、ガソリン税の暫定税率廃止でガソリン価格が下がったら、電気・ガス代支援で電気・ガス代が下がったら、重点支援地方交付金を財源におこめ券をもらったら、その分家計は助かるだろう。
だからといって、家計の財布のひもは緩まず、消費を増やさなかったら、需要は増えない。需要が増えなければ、物価高をあおらないことになる。


















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