TBS日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』に登場で再注目も…《北海道・日高地方》が直面している"あまりに厳しすぎる"現実

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かつては観光客も新冠、静内、浦河の町に行くのに日高本線を利用していましたが、鉄道が廃止されてからは路線バスのみの運行となり、公共交通機関で行きづらくなった環境も、日高地方への観光の深刻さを増しています。

さて、『ザ・ロイヤルファミリー』のもう1つの見どころとして、本格的な競馬シーンがあります。撮影は新潟競馬場や東京競馬場でも行われ、競馬ファンでなくとも息を呑む迫力あるシーンとなっています。

中でも東京都府中市にある「東京競馬場」は、人気ゲーム「ウマ娘プリティダービー」の聖地としても知られていて、多くの競馬ファンやアニメ・ゲームファンが聖地巡礼に訪れています。

静内駅
元JR静内駅にも『ザ・ロイヤルファミリー』の看板だけでなく、「ウマ娘」の等身大パネルが設置されていました(筆者撮影)

「観光客のマナー」が新たな問題に

「ウマ娘」を機に、名馬を生んだふるさととして、日高地方を訪れるファンも急増している中、特に夏場の観光シーズンでは、観光客のマナーが新たな問題となっています。

聖地巡礼
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前述の「競走馬のふるさと日高案内所」が出している「牧場見学の9箇条」では、牧場見学における最低限のマナーを打ち出しています。

たとえば、「無断で放牧地に入らない」「大きな音や声を出さない」「カメラのフラッシュはご遠慮ください」「絶対に食べ物を与えない」など。

さらに、酪農も含めた牧場一般においては、靴についた細菌などが持ち込まれるリスクもあります。

ノーザンホースパーク
馬のテーマパーク「ノーザンホースパーク」内にある「馬車優先」標識(筆者撮影)

新千歳空港からも1~2時間圏内で訪問できる日高地方は、ドラマやアニメを機に、今後も観光客の増加が見込まれ、人手不足に悩む地域にとってはチャンスである反面、新たな課題に直面していると言えます。

訪問する際にはマナーを守ることを前提に、多くの若年層が「競走馬のふるさと」日高地方に関心を持ってくれることを期待しています。

古関 和典 ロケ地研究家、コンテンツツーリズム研究家

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こせき かずのり / Kazunori Koseki

1973年神戸市生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業後、旅行会社に入社。映画『のだめカンタービレ』のヨーロッパロケを担当して以降、社内でチームを立ち上げ、数多くの映画、テレビドラマ、アニメ等のコンテンツ制作の業務に携わる。2016年、TIFFCOMにおいて、『日経エンタテインメント!』と共催で「全国ロケ地セミナー」を開催し、その活動が同誌でも紹介される。2023年、法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了。

現在は業務の傍らでロケ地研究家として「ロケ地ラボ」を主宰し、各大学や地域での講演も行っている(2015年以降、内閣官房より「地域活性化伝道師」の委嘱を受け活動)。2021年、フジテレビ『超逆境クイズ!!99人の壁』に「ジャンル=ロケ地」でチャレンジャー出場、グランドスラム達成。コンテンツツーリズム学会理事。

ブログ:https://ameblo.jp/chiiki-media/

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