しかしながら、飼養戸数については減少の一途をたどっており、03年には全国で1468戸あったものが22年には766戸と、約20年で半数に減少しています。特に日高地方ではその傾向が顕著で、1975年の1930戸をピークに23年には642戸と、ピーク時の1/3となっているのです。
主な原因は牧場の経営不振と高齢化であり、ドラマでも描かれているとおり、それに起因する後継者問題が深刻なのです。24年の「軽種馬生産構造改革推進会議」の報告書によれば、日高地方に特徴的だった「家族経営」による牧場経営の限界が指摘されています。
一方で、大規模牧場は、その飼養頭数が微増している状況ですが、こちらも労働力不足は課題となっていて、担い手不足は競走馬の産地全体にとっての問題です。日高は、軽種馬生産の産業への依存度が高い分、地域全体の活性化においては厳しい状況が続いています。
もう列車は来ない…「JR日高本線」の現状
苫小牧から、襟裳岬への玄関口となっている様似町(さまにちょう)まで、かつては日高地方を横断する146.5キロの長大な鉄道路線だった「JR日高本線」。
現在は苫小牧駅から鵡川(むかわ)駅までの約30キロ、片道30分ほどの路線をディーゼルカーが往復するのみの寂しい路線となっています。
15年に発生した高波で線路が被災し、そのまま復旧することなく全体の8割が21年に廃止されました。「日高本線」を名乗りながらも、短くなってしまった結果、全線が胆振地方止まりとなってしまい、いわゆる「日高地方」を通っていないのです。
新ひだか町の元JR静内駅だった場所は、今はバスターミナルとなり、列車は来ません。



















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