トライアル「ダサかわいい」998円フリースが150万枚突破 爆売れ"生活密着アパレル"の正体
ジャケット丈なのは、車での移動がメインの際に邪魔にならず動きやすい丈だからだ。さらに、毛足を短くしてあるのは家事のしやすさも意識してのこと。
「毛足が⻑くボリュームのあるファーフリースのほうがファッション性は高いのですが、毛足が長いと埃が付きやすくなり、家で火を扱う際に危ないので」
袖のゴム感は、皿洗いなどの際に腕まくりしやすくなっている。まくるとちょうど関節部分でとまりやすくなっているので、皿洗いや風呂掃除などの水仕事もしやすい。
まさに「生活密着型」のトライアルならではの視点で作られていると筆者は感じた。
商品開発に反映されているのはお客様の意見に加えて、トライアルで働くアソシエイト(パート)たちの声だ。アソシエイトは40~50代の女性が多く、シルキーフリースの購入層とも重なる。
毎年実施しているお客様の声を聞くLINEアンケートに加えて、こうした従業員の声をしっかり集めて商品開発に反映させている。そこからこうした袖のゴム感や車移動での動きやすさなど生活に即したつくりのデザインが生まれるのだろう。
「値段は非常に安いんですけど、お客さんの声をしっかり聴くことに関してはかなり手間暇をかけてます。どこよりも、使われるシーンに対してどういう仕様、デザイン、柄がよいかは自分たちで考えて結論を出しています」
今後は「ついで買い」から「指名買い」へ
それにしても、998円(税込1097円)で購入できるのはすごい。
「この価格を実現させているのは『総合小売業』としての強みですね」
食品、日用品、衣料品と幅広い生活必需品を扱うスーパーであり、地域住民が日常的に通う場所であるからこそ集客に圧倒的な強みがある。アパレルだけでやっている企業と比べて、衣料品売り場を通る客数は圧倒的に多い。
現在、衣料品の売上構成比は3%。だが、今後はアパレルの構成比を高めていきたいと抱負を語る。



















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