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「今も心に残る空虚さ。でもひとりに戻っただけ」——。61歳で旅立った10歳年上の夫《前へ進むための"ひとり暮らし"》再出発の部屋

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  • 蜂谷 智子 ライター・編集者 編集プロダクションAsuamu主宰
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今後のことを聞いてみると、杉江さんは穏やかに言った。

「猫と一緒に、のんびりと暮らしていきたくて。とても気に入っている地域なので、ここに根を張って、暮らしを楽しむつもりです。

この土地はお祭りが多いんですよ。それも気に入っているところです。先日お祭りで踊っている人の後ろで、お囃子を演奏している地域の方がいました。私もそんな活動に参加できたら、楽しそうだなと思っています」

静かな部屋だが、耳を澄ませると遠く坂の下の商店街のざわめきが聞こえてくる。古くて活気のある街。杉江さんは、この環境がとても気に入っているのだ。

「夫を亡くして、今でもふとしたときに空虚さを感じたり、闘病中の様子を思い出したりして涙が出てくる。でもそういう寂しさと、ひとり暮らしの寂しさは別ものですね。私の場合は、ひとり暮らしは、むしろ心地がよい。ずっと慣れ親しんだひとりという状態に、戻ってきたなという感じです」

人生は、人との出会いによって形を変えていく。思いがけない出会いの喜びもあれば、避けられない別れもある。けれど、どんなときも“ひとりの自分”に立ち戻れるからこそ、別れを受けとめながら次の出会いの糧にしていけるのだと、杉江さんの話を聞きながら思った。

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心地よく暮らせる「私らしい」家

「北欧風の温かみがあるインテリアが好きなのだ」と家をつくることで実感したという(撮影:今井 康一)
寝室には、実母が手作りした押し花の額縁を飾っている(撮影:今井 康一)
ベッドルームの壁紙は北欧風テキスタイルで優しく落ち着いた雰囲気に(撮影:今井 康一)
トイレスペースへの猫用の通り道。バスルームに温かい空気を運んでくるメリットもある(撮影:今井 康一)
夫と姑の遺影はリビングのテレビの横においてある(撮影:今井 康一)
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