スーパーのシュークリーム《モンテール》"ふてぶてしいピンク顔"の金太郎飴つくる戦後の町工場が【年商318億円】の大企業に成長した裏側

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バウムクーヘンの投入を機に洋菓子事業を本格化させるとともに、より洋風のイメージを明確にするべく、75年には社名を「株式会社モンテール」へ変更した。ちなみに、「モンテール」とは、フランスで「宝石を仕立てる職人」を意味しているそうだ。

ハレの日のお菓子→日常のおやつで年商318億円に

90年代、コンビニやスーパーの拡大を背景に、モンテールはチルド洋生菓子事業を本格化させた。

それまで、ハレの日に食べる特別なお菓子として、ケーキ店などでしか買えなかった洋生菓子を、どこでも気軽に楽しめる日常のおやつとして届けたいと考えた。当時はまだ珍しかったチルド製造設備や専用物流網をいち早く整備し、安定した供給体制を築き上げた。

「焼プリン」や「カスタードケーキ」など、当時すでに数種類の商品を展開していたモンテールだが、チルドメーカーとして成長の足がかりとなったのが、今も定番として親しまれる「プチシュークリーム」だ。

発売当初のプチシュークリーム(提供画像)
発売当初のプチシュークリーム(提供画像)

96年には、年間1,000万パック売れるヒット商品となり、一口サイズの食べやすさと手頃な価格で幅広い層に支持された。この成功を機に、モンテールはチルドスイーツ市場での存在感を一気に高めた。 その後も「牛乳と卵のシュークリーム」などの人気商品を次々に展開し、2025年には売上高318億円を達成している。

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