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西洋哲学の源流はここにたどりつく。不当な判決に異議を唱えず自らの信条のために毒杯を飲むことを選んだソクラテスの生き方とは

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ソクラテスには国家の法ではなく、内面の法が重要だった。彼はアテナイ市民に実際にこう言った。

「私は皆さんに服従するよりも、むしろ神に服従するのである。つまり、私の命があるかぎり、決して知を愛することを止めないのだ」

ソクラテスを尊敬すべき理由

ここでの「神」は、「ダイモン」で、個人が持っている「霊的ななにか」くらいの意味だ。「良心の声」といったふうに翻訳されたりする。

つまり、彼は国家と社会の圧力ではなく、自分の内面の声に従おうとしたのだ。毒杯を受け取ったのは、「理性的な正しさ」という自分の信念に従った行為だった。

プラトンの中期対話篇『パイドン』には、肉体と魂に対するソクラテスの考えがよく表れている。

哲学者の魂は理性に従って、真の神的なものを正しく見つめることで、快楽と苦痛に縛られている感覚から解放されるべきである。

また、哲学者の魂は、生きている間はそう生きなければならず、死んでも自分の本性と同じところに行って、そこにいたることで人間的な不幸から抜け出せるのだと信じている。(プラトン『パイドン』)

彼は特定の概念を一般化して説いたり、自我と宇宙について巨大な絵を描いたりはしなかったけれど、それでも僕たちがソクラテスを哲学の模範としているのは、彼の生き方からだ。

彼の生きざまが、まさに哲学者という生き方、要するに「考える人」の典型なのである。

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