増殖する「リア充なのにオタク」たちの実態 スクールカーストの上位にランク?

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事例2:都内の4年生大学に通うBくん(19歳)
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Bくんの同人誌コレクション

都内の4年制大学に通う大学1年生のBくんは現在、学生業の傍ら俳優としても仕事をしている。外交的な性格から幅広い交友関係を持ち、大学でも友人に囲まれ話題の中心にいることが多い。

過去には映画イベントの舞台監督をし、イベントスタッフ総勢100人をまとめる立場にもあった。休日には彼女と表参道に服を買いに行くこともある。学業と仕事を両立させ、彼女との時間も大切にする、キラキラの「リア充」だ。

しかしBくんはかなりのオタクでもある。中学3年生のころからアニメにはまり、現在は週に30本程度の作品をチェック。Bくんいわく「アニメを見ない生活は考えられない」そうだ。

出費もかなりの額にのぼる。毎年2回行われる同人誌展示即売会「コミックマーケット(コミケ)」には、中学3年生の冬から欠かさず参加。好きなアニメの同人誌、設定資料集や抱きまくらカバーなどを購入し、1回あたりの消費金額は10万円を超える。

また、彼はアニメのイベント時、サイリウムと呼ばれるケミカルライトを使用するが、1回のイベントでなんと50本のサイリウムを使うというから驚きだ。アニメ関連の消費は、平均すると月に5万円程度、中学3年生から大学1年現在まで累計すると200万円を軽く超すという。

好きなアニメの舞台となった場所へ実際に訪れる「聖地巡礼」もBくんのお気に入り。現地では、作中でキャラクターが食べていたものと同じものを食べる。作品に抱く愛の強さが伝わるエピソードだ。

「リア充オタク」はなぜ増えているのか?

彼らがオタクでありながら、その生活や交友関係の在り方は華やかで、「リア充」と呼ばれるにふさわしいことをおわかりいただけただろうか。現代の「オタク」は、必ずしも、これまでメディアで報じられてきたイメージ一辺倒ではないのである。

ではなぜ、リア充オタクが増えているのだろうか。それには主に3つの理由が考えられる。

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