佐藤優が喝破! もしも【台湾有事】が起これば真っ先に戦闘に巻き込まれる「沖縄」の致命的な"脆弱性"

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もし、中国が大がかりな軍事作戦を行えば、こうした工業地帯は甚大な被害を免れ得ず、それは中国経済にも深刻な影響を及ぼし、経済発展を停滞させる可能性が高い。そのようなリスクを冒してまで中国が安易に台湾侵攻に踏み切るとは考えにくい。

戦争は必ずしも合理的理由のみによって起こるわけではない。しばしば偶発的事件が引き金となり、大規模な衝突へと発展してきた。

第一次世界大戦を引き起こした1914年のサラエボ事件―オーストリア皇太子夫妻暗殺―も、当初は外交交渉での解決が模索されたが、すれ違いと軍部の圧力によって開戦へと至り、その後は拡大と泥沼化を見た。

また、1937年の盧溝橋事件も、日中両軍の緊張下で発生した出所不明の発砲が全面戦争に拡大していった事例である。

このように偶発的事件が戦争へとつながることは歴史上繰り返されてきた。したがって、台湾海峡でも同様の偶発的衝突が戦争に発展する危険性は否定できない。

他国を利用して「国益」を守ろうとするアメリカ

それでは、台湾有事が起きた場合、アメリカはどのように動くのか。私は、アメリカが中国と直接軍事衝突する可能性は低いと見ている。

なぜなら、アメリカは自国本土に到達可能な核兵器を保有する国家との間で、核戦争の危険を冒してまで戦うことはないからである。

とはいえ、アメリカは中国の軍事力と経済力の増強に強い警戒心を抱き、中国を弱体化させたいと望んでいる。そのため自国民ではなく他国の国民を利用して、自国の国益を守ろうとする傾向がある。

トランプ政権にとっても台湾有事は決して無関心でいられる問題ではない。日経新聞は次のように報じている。

〈英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)電子版は12日、米国防総省ナンバー3のコルビー政策担当次官が日本とオーストラリアの国防当局者に対し、台湾有事で米中が軍事衝突した際の役割を明確化するよう伝え、「関与」を求めたと報じた〉(日本経済新聞デジタル版、2025年7月12日)
この報道が示すように、トランプ政権の真意は自国が直接関与するのではなく、日本やオーストラリアに防衛の肩代わりをさせようとする点にある。

もし、台湾有事が起き、日本がそれに巻き込まれたならば、日本領土で最初に攻撃を受ける可能性が高いのは沖縄である。

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