佐藤優が喝破! もしも【台湾有事】が起これば真っ先に戦闘に巻き込まれる「沖縄」の致命的な"脆弱性"

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中国が海洋進出政策を強める大きな目的の1つには、台湾問題が存在している。台湾は「1つの中国」を掲げる中国政府にとって目の上のたんこぶである。

2024年1月の台湾総統選挙では、台湾の自治を強く主張する民進党の頼清徳が当選したが、BBCは「中国は台湾の有権者に対し、頼氏に投票しないよう警告していた」と伝えている(BBC NEWS日本語デジタル版、2024年1月14日)。1つの中国に反する総統の誕生を受け、中国は不満を募らせ、シーパワーの増強による力の誇示を一層強めていると見られる。

極めて戦略的な意味を持つ2つの「マージナル・シー」

さらに台湾海峡は、東シナ海と南シナ海という2つのマージナル・シー、すなわちランドパワー国家が大洋に進出する際に必ず通らざるを得ない海域をつなぐ要衝である。

この海峡は中国にとってのみならず、日本やアメリカといった海洋国家にとっても重要なチョークポイントであり、軍事的にも経済的にも極めて戦略的な意味を持つことを忘れてはならない。

こうした背景から、中国が台湾に侵攻する可能性を指摘する政治学者や軍事専門家は少なくない。しかし私は、台湾有事が現実化する可能性は低いと考えている。その理由は大きく2つある。第一は軍事的理由である。

先に述べた通り、中国は本来ランドパワーの国家であり、大規模な海戦や上陸作戦を近代以降ほとんど経験していない。

台湾侵攻には海峡を越えて大量の兵士を輸送する必要があるが、その際、上陸部隊を乗せた艦船は守備側のミサイルや航空機による攻撃の格好の標的となるだろう。

その上、台湾周辺の地形は台湾側はもちろん、支援に加わると考えられる日本やアメリカも熟知しており、中国軍の上陸は困難を極め、甚大な損害を被る可能性が高い。

さらに、大量の死傷者を伴う侵攻作戦には多数の若者が兵士として動員されねばならないが、一人っ子政策の影響で少子高齢化が進む中国において、親世代が、若者が安易に戦場に向かうことを容認するとは考えにくいのである。

2つ目の理由は経済的要因である。台湾には世界最大規模の半導体工場をはじめとする多数の工場が存在し、現在の中国の経済的繁栄の一端は台湾の工業力によって支えられているという現実がある。

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