「AI時代の勝者は誰か?」AI活用を学んで意味がある人、意味がない人の決定的違い
誰にでもできるということは、相対的に価値が低いということです。しかも、そうしたデジタル完結型の仕事こそ、AIが最も得意とする領域であり、いずれ人間が介在する必要すらなくなっていくでしょう。
一方で、汗をかいて現場に行き、泥臭く顧客と向き合う仕事はAIには代替できません。みんながやりたがらない「面倒な仕事」の中にこそ、AI時代における情報の宝脈が眠っているのです。
AIを生かせるのは基礎を身に付けてこそ
当たり前の話ですが、常に価値を出し続けるには、学び続ける必要があります。泥臭く活動しながらも、読書や研修を通じて新たな知見を取り入れ、自分の基礎をアップデートし続けることが重要です。
しかし、残念ながら日本のビジネスパーソンは驚くほど学びません。総務省の調査(令和3年)によれば、日本の有業者が1日に学習に使う時間は平均わずか7分。2019年のパーソル総合研究所の調査でも、約半数が社外学習や自己啓発を行っていないというデータがあります。
繰り返しになりますが、AIは格差拡大装置です。フィジカルに泥臭く活動して「一次情報」を掴み、学び続ける人と、デジタルな世界に閉じこもってAIに答えを求める人。両者の格差は、今後埋めようがないほどに広がっていくでしょう。
AIのトレンドに焦り、「わが社も全社員にAI研修を」と考える気持ちはわかります。しかし、OSが入っていないPCに最新アプリをインストールしても動かないのと同じで、成果を出すための基礎力なしにAI操作だけを学んでも、徒労に終わります。
PwCの調査(2025年6月発表)でも、生成AIを活用した日本企業のうち「期待を上回る成果が出た」のはわずか15%でした。米国では45%という数字になっており、大きなギャップがあります。
もちろんリーダーシップの不在やデジタルへの無知など、多くの理由があります。しかし根本的な原因は、AIというツールの使い方ではなく、それを使う人間の「顧客思考」と「マインドセット」の欠如にあるのではないでしょうか。
まずは顧客思考を身に付けること。そして、泥臭く現場へ出るマインドセットを組織に浸透させること。それこそが、AI活用で成果を出すために必要な、真のリスキリングと言えるはずです。
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