大切な親友を失ったギルガメシュはエンキドゥの亡骸を抱いて深く悲しんだ。命のはかなさを憂い、また、死の恐怖に襲われたギルガメシュは、永遠の命を手に入れるべく死から逃げようとした。
永遠に死なない人がいるという噂を聞いたギルガメシュは、洪水から生き残った人間、ウトナピシュティムに不死の秘訣を聞くことにした。
大事なときにポンコツで人間的なギルガメシュ
ウトナピシュティムはギルガメシュに不死の薬草のありかを教えてくれた。そうしてギルガメシュはついに、水の中に生えていた不死の薬草を手に入れた。しかし喜んだのも束の間、ウルクへの帰り道にギルガメシュは寝てしまい、蛇に薬草を食べられてしまった。
ギルガメシュは、永遠の命を手に入れることはできないと悟り、ウルクに帰ってきて自分の物語を石に刻んだ。そして最期を迎え、永遠の眠りについた。
『ギルガメシュ叙事詩』が書かれたのはいまから約5000年前のことだ。だけど、僕たちはこの話のメッセージを読みとることができる。
ここに描かれているのは、神さまと英雄の話というよりは、傲慢で欲深い人間が挫折したり恐怖におびえたりする姿だからだ。これはあなたの姿であり、僕の姿でもある。
この古典は最古の叙事詩であるという形式的な価値をはるかに超える、大事な意味を持っている。
古代の人も現代の人も人生は変わらないということを理解した上で、人類という存在の普遍性について考えてみるきっかけになるのだ。
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