この計画を知った水と知恵の神さまエアは、人間をかわいそうに思い、ウトナピシュティムという徳の高い人間の夢に現れて、この事実を告げて備えさせた。
ウトナピシュティムはエアの指示どおり巨大な箱舟をつくり、自分の家族と侍従、動物たちを乗せた。雨は7日間降りつづけた。
一方で、神々は自分たちが残酷なことをしたと後悔していた。
ウトナピシュティムが生きていることを知ったエンリルは、もう二度と洪水で人間を滅ぼすようなことはしないと宣言した。
エンリルはウトナピシュティムと彼の妻に不死の身と住処を与えて、そこに彼らを住まわせた。
権力を手に入れてやりたい放題の王さま
洪水から生き残った人間は世界の再建をはじめる。
そうして建設されたウルクは、レンガの城塞を備えた巨大な都市に成長。ウルクの王はルガルパンダという人間で、王妃は女神だった。
この2人のあいだから生まれたギルガメシュは3分の2が神、3分の1が人として、美しい容姿と、誰よりも強い力と勇気を備えていた。
しかし、ウルクの王になった彼は怖いもの知らずで、自分の力を誇示するあまり人を殴って奴隷にしたり、国中の花嫁の初夜を奪ったりする問題児だった。
不満を募らせた農民たちは、ギルガメシュの悪行を止める者を送ってほしいと神さまに祈ったのだ。
神々はその祈りに応えて、泥からエンキドゥという野獣をつくり上げた。
牛のような毛むくじゃらの体で、女性のように長い髪の毛を持ったエンキドゥは、地上に降りて山の中で動物たちと生活しながら森を守った。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら