ブームは去ったのに…《ゴンチャ》独り勝ちの謎、来店客が注文する"意外な一杯"

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ゴンチャ 東京駅グランスタ八重洲店
『ゴンチャ 東京駅グランスタ八重洲店』の外観(筆者撮影)
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「タピオカなんてミーハーな女子高生が飲むもの……」
偏屈な先入観を抱いたまま、ブームが短命に終わっていくのを傍目に見ていたのは、たしか2019~2020年頃だった。
それから早5~6年が経ち、すっかりタピオカブームも鎮火した一方で、国内で独り勝ちを見せ、店舗拡大を続けるのが台湾発祥の「ゴンチャ」だ。
矢継ぎ早にトレンドが移り変わる飲食業界で、なぜゴンチャは息ながく展開を続けられたのか。そして当時のタピオカブームをどう見ていたのかーー。同社へのインタビューと現地取材から探った。
後編:『「28年までに400店目指す」ゴンチャの知られざる実態

年月を重ねるごとに年齢層も上がってきた

平日の昼下がり、『ゴンチャ 東京駅グランスタ八重洲店』には、意外にもビジネスパーソンの姿が目立つ。立地柄が関係しているのは承知だが、タピオカを好みそうな若い女性のなかに、男性客やインバウンドの姿が交じる。また、ゴンチャ日本上陸の2号店目となった『ゴンチャ ビーンズ阿佐ヶ谷店』では、ご近所らしき年配層の姿も散見される。

店内のデジタルサイネージには、期間限定商品をはじめとした色鮮やかなメニューが投影され、従業員は若い女性ばかりーー。にもかかわらず、そこまで客層は偏っていない印象を受ける。

ゴンチャ アトレ吉祥寺店
『ゴンチャ アトレ吉祥寺店』。駅直結の立地柄、カウンターには10人近くが並んでいた(筆者撮影)

てっきり「タピオカ=女子高生が飲むもの」という偏見を持っていた筆者だが、ゴンチャジャパン経営企画本部長の酒井洵氏によれば、現在の来店客の半数以上は30歳以上だという。

「タピオカブームの頃は、ほぼ100%お客さんが女子高生や大学生でした。そうした若い女性の方々が、社会人になっても通い続けてくれることで、年月を重ねるごとに来店客の年齢層も上がっています。

加えて、若い女性の方々が、パートナーや両親を連れてきてくれ、そこからゴンチャを知った方が通い続けてくれている方も。いまでは男性2割、女性8割程度で、30歳以上のお客さんが半数を占めるほど、徐々に客層に幅が出ています」(ゴンチャジャパン経営企画本部長の酒井洵氏、以下発言は同氏)

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