ブームは去ったのに…《ゴンチャ》独り勝ちの謎、来店客が注文する"意外な一杯"

✎ 1〜 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 15
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

店内を見渡しても、来店客が注文したドリンクの一定数は、ストローが細いことに気づく。タピオカや果肉などがトッピングされたドリンクは、具材を吸い込むためストローが太いが、一般的な細さのストローが刺さっている光景を見れば、シンプルな「お茶」の注文率が高いことがうかがえる。

前のビジネスパーソンに倣って、『烏龍 ミルクティー(アイスMサイズで税込み490円)』の、「甘さ抜き」「トッピングなし」を注文。ほかに氷の量もチョイスでき、自分好みにカスタマイズできるようだ。

数分ほどでドリンクが届き、口にするとかなりサッパリしている。烏龍茶の焙煎した香りが前面に出ており、それゆえ甘さゼロでも全乳ベースのミルクらしさが引き立つ。後味もスッキリしており、舌にまとわりつくような甘ったるさを感じないのが嬉しい。

ゴンチャがブランドを確立できた理由

別日には『パッションフルーツ阿里山 ティーエード(アイスMサイズで税込み530円)』を注文したが、こちらも飽きのこない風味だった。ジャスミンを思わせる阿里山ティーと、パッションフルーツの酸味がぶつからずサラサラと飲める。

パッションフルーツ阿里山 ティーエード
『パッションフルーツ阿里山 ティーエード(アイスMサイズで税込み530円)』(筆者撮影)

あくまでも数店舗を訪れた体感ではあるが、ゴンチャは「タピオカだけに頼らずに展開している」所感だ。タピオカの一本釣りで勝負していないからこそ、一過性のブームに飲まれることなく、ゴンチャがブランドを確立した秘訣があるのではないかーー。

上記の仮説を裏付けるため、ゴンチャが日本上陸を果たした2015年まで遡りたい。

それまで世界で店舗展開していたゴンチャが、日本参入を決めた経緯は、先んじて2012年に上陸した韓国で成功を収めたことに始まる。韓国では3年で100店舗近く店舗網を広げ、一定の成功を収めたことで、立地や文化的な親和性のある日本への出店にも踏み切る。こうして進出を決めたなか、国内向けにカスタマイズしたのが「お茶を主軸に提供する」点だった。

次ページスターバックスを参考に日本参入
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事