東京近郊で"子育て世帯"の「持ち家率」が高い街はどこ?/"20代単身者"が住宅を購入している街も調べてみた

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総務省統計局『令和5年(2023年)住宅・土地統計調査』から、首都圏1都3県における年齢階級別・家族構成別の持ち家率を見てみましょう(図1)。20代では家族構成によらず賃貸暮らしが多数ですが、30代では既婚者、特に子どものいる世帯で持ち家率が上昇します。そして、40代の子育てファミリーでは、70%以上が持ち家を選択していることがわかります。

(画像:『データでわかる東京格差』より)

つまり、賃貸か持ち家かという選択は、特に結婚、出産といったライフイベントを迎える30代から40代にとって、最も切実な問題となるのです。そこでここでは、賃貸と持ち家の選択を迫られる35~44歳の子育てファミリーに焦点を当て、彼らがどこに買って住み、どこに借りて住んでいるのか、その地域差を深掘りしていきます。

ファミリーが買って住む街、借りて住む街

東京近郊における35~44歳の子育て世帯※の持ち家率を市区別に可視化しました(図2)。出典は総務省統計局『令和5年(2023年)住宅・土地統計調査』です。

(画像:『データでわかる東京格差』より)

地図を俯瞰すると、都心から郊外へ向けて持ち家率が上昇していく傾向がわかります。千代田区(33%)や港区(42%)といった都心部では4割前後ですが、都心から離れると数値は劇的に上昇。地図の範囲外ではありますが、都心からドアツードアで60~90分圏の埼玉県東松山市(90%)、千葉県印西市(94%)、相模原市中央区(88%)のように、9割前後が持ち家という買って住む街も珍しくありません。

改めて、都心周辺を眺めてみましょう。23区内では、北区(72%)を筆頭に、荒川区、江東区、足立区といった城東・城北エリアで持ち家率が6割を超えています。これに対して、閑静な住宅地のイメージが強い城南・城西エリアでは、世田谷区と練馬区で50%台、杉並区、中野区で40%台と、意外にも持ち家率は低めです。

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