2025年の不動産市場を語る前に、2024年を総括しておこう。
「にわか投資家」が拡大した分譲マンション市場
マンションの売買市場でニュースになることは新築マンションの集計値以外にない。2023年3月に首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県)の平均価格が史上初めて1億円を超え、1億4360万円となった。これは都心の好立地大規模物件が2棟同時に販売されたからだが、相場が急伸したように見える。
このニュース以降、都心のタワーマンションを購入するのは自宅を探す実需だけでなく、中国人をはじめとする外国人、日本の法人、個人の富裕層まで「にわか投資家」が拡大した。その直後から買い手が急激に増えたため、新築の倍率は上がり、中古の好立地のタワーは売り出された価格の満額で即日に売れていったりした。
2024年に入って新築は昨年と比較して、供給戸数が減少し、平均価格は下落し、在庫は増加した(2024年11月までの累計値)。12月までの累計値は1月下旬に発表されるが、ほぼこのような数値になりそうで、これだけ見れば市況は悪化したことになる。
しかし、新築は棟数で300ほどしかない。その立地や戸数が大幅に変わる中で、前年と比較したところで意味はない。とはいえ、このニュースは上記の「にわか投資家」のマインドを冷やすには十分かもしれない。「先高感」の目論見に反して、「先安感」の数字が突きつけられるからだ。
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