「マンション価格ついに…」2025不動産市場の行方 分譲マンション、戸建て、賃貸をそれぞれ「予測」

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それでは、2025年はどうなるか? 2024年の現状認識を正確に把握したら、その前提条件や取り巻く環境が変わらなければ、その延長線上のことが起こる。未来はすでに起きている現実の積み上げの先にあるだけだ。2024年の市場把握に足元の変化とそのトレンドを丹念に調べていくと、それは2025年に起きることとなる。

2025年不動産市場はどうなるのか

・分譲マンション市場

持ち家価格は不動産への資金が増えれば、資産インフレする。法人も個人もほとんどの方が不動産を購入する際に、ローンを組む。この資金の流れを止めるのは金融庁しかないが、金融庁の公開資料を確認していると、資金が止まらないことは当面確実であり、価格が下がることはない。新築・中古ともに、同じエリアなら、確実に単価が上昇していくことになる。

ただし、価格の高騰とにわか投資家の減少で、売れ行きは少し落ち着くことになろう。需要が減った分、販売期間が延びるということだ。新築は省エネ基準適合で断熱性能など向上して望ましいことだが、さらに価格高騰に拍車がかかる。価格高騰と売れ行きの悪化は、需要吸引力の高い都心部はさておき、地方・郊外の物件は冷え込む事態がすでに顕在化している。

・戸建て市場

新築の在庫調整は続くが、供給が全体的に減り始めており、供給調整が既に始まっていると認識している。これは事業構造上、借入が難航している以外の理由は考えられない。土地価格と建築費が下がらない限り、供給は増えそうにない。そもそも価格がコロナ前より2割上がっているので、供給はその分下がる可能性が高い。単純に買える人が減るからだ。当面は価格は下がらず、売れ行きも芳しくない状況が続くと考えられる。

・賃貸市場

家賃の高騰は稼働率の上昇によって起こる。シングルは人手不足から都市圏に若者や外国人が集まるからで、ファミリーは持ち家価格が高く買えないからになる。理由こそ違うが稼働率は上昇の一途で、建築費の高騰から供給戸数が増えることは望み薄である。このため、家賃はこれまで以上に高騰し、やや広めに住み替えたいと思うと2~3割の家賃上昇になり、引っ越しをためらうほどになる。これは、住み替え時だけでなく、更新時の家賃の引き上げ事例も増えており、常態化していく可能性がある。

総じて、不動産市場は価格も家賃も高騰が続く。こうした状況では、家賃負担は重たくなる一方で、持ち家という資産を持てばキャピタルゲインが得やすい状況にある。将来予測から逆算して自宅の戦略を考えれば持ち家取得一択であることを学習したら、あとは行動に移すのみとなる。

沖 有人 不動産コンサルタント

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おき ゆうじん / Yujin Oki

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、監査法人系・不動産系のコンサルティング会社を経て、1998年に現スタイルアクトを設立。住宅分野において、マーケティング・統計・ITの3分野を統合し、日本最大級の不動産ビッグデータを駆使した調査・コンサルティング・事業構築を得意とする。設立当初から運営する分譲マンション価格情報サイト「住まいサーフィン」の会員数は30万人以上。『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書)など著書多数。

 

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