「いつの間にか街には黒人キャッチばかり」「在留資格はどうなってる?」《歌舞伎町の黒人男性たち》その知られざる正体【現地ルポ】

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当時、一連の事件を捜査していた警視庁公安部の男性に詳細を聞いた。

「日本政府は20年までに外国人観光客年間2000万人という目標を掲げていたが、15年にはほぼ達成し、19年には3000万人を超えた。この外国人観光客をターゲットに、六本木のインターナショナルクラブで”ドリンクスパイキング”という犯罪が急激に増えた。その手口は、クラブの店員が客のグラスに違法薬物や睡眠薬を混ぜ、昏睡させたうえで金品や所持金を奪うというかなり荒いものだった。

パスポートを盗まれた、財布を盗まれた、クレジットカードを不正に利用されたなど、ひどい状況だった。店にいるのは大体、英語を話すフィリピン人女性。黒幕はナイジェリア、ガーナ、カメルーンの男が多かった。私はドリンクスパイキングを行っている店をリスト化した資料を持っていたが、各国の大使館からその資料を共有するように要請を受けていた」

被害者が軒並み自国の大使館に駆け込み、一気に噂が広まった。そうなれば警察も動かざるをえない。そうして、インターナショナルクラブの経営者やキャッチは六本木に見切りをつけ、歌舞伎町へ移動してきたのである。

「ぼったくりバー」の驚くべきシステム

一方、インターナショナルクラブで働いている女性たちは、黒人ではなくフィリピン人やロシア人であることが多い。稀ではあるが日本人女性が働いていることもある。

数カ月の間、歌舞伎町のインターナショナルクラブで働いていたという日本人女性はこう話す。

「私が働いていた店は、いわゆるぼったくりバーでした。『日本人がいると安心する』という理由で、私はいつも店の前に立たされていました。日給は1万円ですが、それとは別に客が私に入れたドリンク代の20~30%が上乗せされます。もちろん、そのドリンクもぼったくり価格です」

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