「いつの間にか街には黒人キャッチばかり」「在留資格はどうなってる?」《歌舞伎町の黒人男性たち》その知られざる正体【現地ルポ】
『ルポ歌舞伎町』(彩図社文庫)の取材のため、歌舞伎町の通称・ヤクザマンションに住んでいた筆者は、数年前まで区役所通りでキャッチをしていたというナイジェリア人の男性イブラヒム(仮名)と知り合った。
彼は日本人女性と結婚し、すでに25年近く日本で暮らしている。流暢な日本語を話し、今でも歌舞伎町に出入りをしては、困っている同胞たちをその語学力と知識と人脈でバックアップしているという。
イブラヒムによれば、歌舞伎町に黒人が増え始めたのは1990年代後半のことだという。
「歌舞伎町、渋谷、原宿、六本木、上野、いろんなところでヒップホップの洋服を売っていたけど、売れなくなってバーやクラブを開き始めた。キャッチの黒人たちはそういった店に客を紹介してマージンをもらっている人たちだよ。
はじめは仕事を求めて日本に来て、ヤード(主に海外への輸出を目的として自動車の保管や解体、コンテナ詰めなどの作業を行う施設)で働くことが多い。でも、しばらくすれば繁華街にも行くようになるでしょ。歌舞伎町は昔から外国人観光客が多いから、日本語がわからなくても英語さえ話せればキャッチになれる」
とくに多いのは、公用語が英語であるナイジェリアとガーナだ。ほかにも、セネガル、ケニア、カメルーン、南アフリカ共和国、ギニア、マリ、コンゴなど、国籍は多岐にわたるという。
六本木から歌舞伎町へ黒人たちが移動した
外国人観光客に人気の繁華街といえば、歌舞伎町のほかにも六本木が思い当たる。実際、六本木にも同様のインターナショナルクラブが乱立していたが、ある事件を機に2010年代後半からその数は減っていった。



















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