離婚率が令和の2倍!朝ドラ「ばけばけ」やたらと離婚&国際結婚が注目の明治結婚事情とは
明治18(1885)年には、海軍大佐のピエール・ロティがおかねさんという当時18歳の日本人女性と夏の間、長崎で同棲生活を送った。いわゆる現地妻のような扱いで、期間は約1カ月のみだった。帰国後にロティは自伝的な日記体小説『お菊さん』を発表している。
ロティの書いた『お菊さん』を愛読して、日本に関心を持ったのがラフカディオ・ハーンで、来日の翌年、明治24(1891)年に小泉セツと結婚を果たした。
「妾でもいいから外国人と近づきたい」
国際結婚は新聞を大いににぎわせて、なかには妾でもいいから外国人と近づきたい、という人もいたようだ。明治42(1909)年1月8日の「都新聞」には、こんな相談が寄せられている(『明治時代の人生相談』山田邦紀著、幻冬舎文庫より)。
「私は明けて十八歳ですが、学校は高等三年まで行ってそこから裁縫や瓶細工を稽古しているのです。これから外国人の妾になろうと思うのですがいかがでしょう」(浅草、希子)
回答者は「内外人にかかわらず人の妾になるなどはもっての外の心違いのことです」とバッサリ。「正式の妻たり夫たるの外に男女の正しい関係はありませぬ」としている。
当時は、ジャーナリストの黒岩涙香が自身の『萬朝報』で、著名人の妾を次々と紙面で暴き立てていた。今でいう「文春砲」が人々の関心を引いていただけに、回答者も相談者を厳しく諭すような答えとなったのだろう。
「ばけばけ」では、さとうほなみ演じる遊女のなみが、不安を抱えながらも、ヘブンの洋妾(ラシャメン)になるべく志願。結局は百姓の娘であることから、ヘブンに断られてしまう。なみのように高給の洋妾を希望する女性は、実際にもいたことがわかる。
否応なく周囲の注目を集める国際結婚へと、トキはどう突き進んでいくのか。ヘブンとの関係性の変化とともに注目したい。
【参考文献】
湯沢雍彦著『明治の結婚 明治の離婚』(角川選書)
山田邦紀著『明治時代の人生相談』(幻冬舎文庫)
小泉節子著、小泉八雲記念館監修『思ひ出の記』(ハーベスト出版)
小泉凡著『セツと八雲』(朝日新書)
NHK出版編『ドラマ人物伝 小泉八雲とセツ:「怪談」が結んだ運命のふたり』(NHK出版)
櫻庭由紀子著『ラフカディオハーンが愛した妻 小泉セツの生涯』(内外出版社)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら