「育ちの悪い人」を再教育することはできない なぜ兄嫁は横暴に振る舞えるのか

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彼女は誰からもその不行儀を注意されず、彼女の周りはイエスマンだけです。信じられないことですが、いつも自分がいちばん正しいと信じる人を、兄弟で作っているのと同じです。品性の悪い人に、品の良い気遣いは、通じません。

親のいないところで長男夫婦を交えて、(無駄を承知で)話し合うべきです。親はいつもお嫁さんのことを、自分の子供と同じくらいかわいいと言っていて、愚痴一つこぼさないこと。自分たちから見て、同居している兄嫁から親が毛嫌いされているのを感じるのはつらいこと。自分たちが目撃したことだけを見ても、親に寂しい思いをさせていることが判ること。客が来たときの豹変ぶりに呆れていること。それができるなら、普段の家族への無視や引きこもりが普通でないことは、自分も自覚しているだろうこと等々。

親の気に入らない点や間違いがあれば、言葉で言ってほしいこと。引きこもりや無視や無礼は、田舎では常識か知らないが、この家ではとても耐えられない非常識であること。心から親を好きになってくれという無理は言わないが、その感情を出さず、親と接してほしいこと。それができないなら、親と別居してほしいなどというのです。

効果がなくとも、一度は全員で伝えるべきです。そうでなければ彼女はつけあがる一方であることを、断言します。

兄弟仲がさらに悪くなる心配をされるでしょうか。ですが、ストレスを全員で抱えて表面上仲が良い家族に、何の意味があるでしょう。仮に関係がさらに悪化しても、彼女の心得違いを、ダメ元で一度でも指摘するほうが、ずっと意味があります。

ダメ嫁を、早々に見限る親の老後は平穏

このような話になりますと決まって思い出す、数人の女性がいます。お一人だけ紹介しますと剛田一家は、お城のような家に住んでいます。そして長男のお嫁さんに、お人形のようなかわいい人を迎えました。いわゆる玉の輿婚です。その結婚式は、映画のシーンを見ているような豪華なものでした。

玉の輿婚ならなおさら、随分女性も妻として嫁として気を使うだろうと、誰もが思ったにちがいありません。ところが彼女は普通のサラリーマン家庭で育った人ですが、自分が着飾ることに異常に熱心で、親兄弟に対する態度は非常識極まりなかったそうです。剛田夫人は、心のない人だと直感したと言います。

人生経験豊富な剛田夫人は、この嫁を今後教育したところで効果は知れていると、早々と長男夫婦を見限り、別居させました。その時、そのお嫁さんの母親も、相当わがままな人だということが思い浮かび、別居の決め手の一つにしたそうです。「育ちを変えるのは、難しい」。

その後は息子夫婦はたまに親元にくるだけらしいですが、「情のない親子関係だが、同居していちいち腹を立てたり寂しい思いをするより、寿命が延びたと思っている」と、彼女はその時の決断に、自信たっぷりです。

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