「AI時代に人間の仕事と呼べるものは何か」けんすう氏が語るこれから必要とされる1つのスキル

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――「レビュー」についてはどう思われますか?

古川:「レビュー」は、最も大事かな、ぐらいで思っています。僕っぽく文章を書くAIのプロンプトを作って使ったりもしてるんですけど、「いや、ここの句読点は絶対ないほうがいい」とか「ここの語尾は『あります』にしたほうがすごい読みやすさが上がる」みたいなのは、やっぱり全然違う。わからない人が見たら多分ほぼ同じに見えちゃうが、実は大きな差を生んでいる。そこはAIだと足りてないですね。

――今後、AIが99%までできてしまうようになっても、その差は残るでしょうか。

古川:クオリティはかなり高くなりますが、一番は「経験知」、要は自分なりの世界観とか、こだわりとか、ほとんど意味ないかもしれないけど「絶対こここうしたい」みたいなやつが「個性」になるので。

AIがその個性をキャッチアップできるかというと、パーソナライズするしかないと思うので難しい。それに、パーソナライズしても、「10回やって飽きたから、11回目は変えたい」みたいなのがあるので、そこまでは難しいだろうなと。

――なるほど。

古川:あと、レビューのイメージも少し違っていて。ブラッシュアップに限らず、実際はAIがA、B、Cと「全部いいけど、どれがいい?」みたいな案を出してくる。そのときに「あ、Bがいいね」っていうのと「Bをもうちょっとこうしようね」みたいな、そういう「方向性を定める」ことのほうが近いかもしれないです。

「目的」と「成果」に個性はあるか

――本書では、人間が「目的」と「成果」を定義し、AIが「中間プロセス」を担うという役割分担を提示しています。このモデルは、けんすうさんの実感と一致しますか?

古川:今は「課題を設定するのが人間」で「解決するのはAI」なんですけど、AIが「課題設定」もできちゃう感じは、もうありますね。新しいサイトを作るときでも「SEO対策やってないな」と思ったんで、AIにやったほうがいいSEO対策を考えてもらったら「これやったほうがいいっすよ」っていうのが出てきたんで、「あ、はい、やっといてください」って言って、全部実装されたんです。

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