祖父の遺産狙う毒親族にモラハラ義父……「5歳以上年下の可愛い子」を求め続けた男性が、試練を乗り越えて見つけた"最強の妻"

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「父親の存在です。とても口が悪い人で、離婚した後は誰も寄りついていませんでした。妻には姉や弟がいますが、全員が父親と縁を切っています。優しい妻だけは仕方なく面倒を見ていたようですが、言うことをまったく聞かないので困り果てていました」

いわゆる毒親である。2年前に脳梗塞で倒れた義父を徹さんが説得して施設に入居させた。今では義父が離島に保有するサトウキビ畑の管理まで引き受けている。娘である由里さんだけでなく施設の職員にまで暴言を吐いている義父も、徹さんに対してだけはおとなしい。

「僕にまで見放されたら終わりだとわかっている、と職員の方々には言ってもらっています。畑の面倒まで見るのは確かに大変です。年の差があるのに結婚してくれて子どもも産んでくれた妻への恩返しだと思っています」

徹さんのほうには毒親どころか毒叔母たちまでいる。祖父と養子縁組をした徹さんはその財産であるアパートを相続。父親と2人の叔母は現金を取ったが、それを使い果たした彼らがお金の無心をするようになっていたのだ。

由里さんは父親譲りの毒舌

「身内とのお金の揉め事は精神的なダメージも大きいです。僕一人だったら面倒臭くなり、言われるままにお金を渡してしまっていたかもしれません。でも、妻がおばさんたちを怒鳴りつけて追い払い、父には『あんたは一人息子を放り出したくせに今さらそんなことを言ってきて、本当にろくでなしだな!』と啖呵を切ってくれました」

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父親譲りの毒舌である。おとなしくて控えめで可愛い人、という徹さんの印象とはかなり異なる。母は強し、なのだろう。

「父や叔母たちとの争いは現在進行形です。キツイですけれど、子どもにご飯を食べさせていると励まされます。やっぱり自分の家族が最優先です。がんばらないといけません」

恵まれた環境でのん気に過ごしているように見える徹さんだが、実際には親族との確執で苦しんでいる。祖父母はそれを予見して、最大の味方としての配偶者を見つけることを強く勧めていたのかもしれない。いま、徹さんは守るべき存在も一緒に戦ってくれる味方のどちらも手にしている。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申し込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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