日本人が知らない「睡眠大国ドイツ」の常識  平均8時間37分・10年で8分増、睡眠を削るより大事なこととは?

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ヨヘンさんはこう言います。 

「お金と違って、時間は巻き返しがきかないからね。でもプライベートで心地いい時間を過ごせるか、仕事で最高のパフォーマンスを上げられるかというのは、睡眠時間にかかっていると思う」

では、「睡眠は大事」と語るヨヘンさんの睡眠を妨げるものは、一体なんでしょうか。

「自分にとって、本来は9時間睡眠が一番いい。ただ今は2歳と3歳の息子がいるから僕の睡眠時間は6時間半から7時間半になってしまっている。本来は夜、もっと早く寝たいのだけれど、子供が生まれてからは、子供が寝てからが僕の自由時間。子供が起きているときにはできないこと、例えば新聞や本を読んだり、YouTubeを見るというのも、夜にやるようになってしまったし、『洗濯物を畳む』という作業も子供に邪魔されない夜にやるから、結局睡眠不足になっている」と、しきりに自分が万年睡眠不足だということを強調するヨヘンさん。

ヨヘンさんの子育てとの両立

さてヨヘンさん夫婦は、2歳と3歳の子供たちの子育てを、ほぼ「フィフティ・フィフティ」で分担しています。

職業学校の先生で公務員である妻のアントニアさん(Antoniaさん)は月曜日と水曜日に出勤、民間企業に勤めるヨヘンさんは火曜日と木曜日、金曜日が出勤日です。

ヨヘンさんは4年前からこの「週に3日間仕事をする」スタイルなのだと言います。子供が生まれる前よりも労働時間は40%少なくなり、その分、お給料も40%減りました。

ヨヘンさんは9時15分に出社し、仕事は本来18時台に終わるのですが、仕事が好きであることから、22時まで没頭して残業をすることも。

ヨヘンさんは、「22時まで働いて翌朝9時に会社に行くこともある。規定よりも働いているかな。もちろん自主的にだけど。あっ、怒られちゃうから国(ドイツ)には内緒ね! こういうのは本当はダメで、国(ドイツ)に怒られちゃうから内緒、内緒」と言い、ウインクしました。

産休・育休中の親は肉体的にも精神的にも大変です。ドイツでも、かつて日本と同じく「育児休暇」(Erziehungsurlaub)という言葉が使われていました。

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