夢だった北欧移住を叶え3年半、改めて紐解く心地よさの理由。日本の日常にもひとときの"余白"を。「週末北欧部 chika」漫画とエッセー

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漫画
フィンランドで暮らすようになって、筆者は沈黙や静けさの心地よさに気づいた(画像:©️週末北欧部 chika)
コミックエッセー「北欧こじらせ日記」シリーズなどが人気の漫画家「週末北欧部 chika(チカ)」さん。会社員をしながら憧れの国・フィンランドで暮らす夢を温め続け、33歳でついに移住。当初は寿司職人として、そして現在は個人事業主としてフィンランドで働くchikaさんに移住して3年半が経った今、改めて感じている「北欧の心地よさ」について漫画とエッセーで綴ってもらいます。

音の余白と、心の余裕

私がはじめてフィンランドを訪れたのは、20歳の時の一人旅。そこで真っ先に驚き、恋に落ちたのは「街の静けさ」だった。駅のホームには発車アナウンスがなく、電車は音もなく走り出す。街中には音の出る広告がほとんどなく、ヘルシンキを歩けば、自分の足音や鳥の声が聞こえた。

2022年、念願叶って寿司シェフとしてヘルシンキに移住してからも、その「音の少なさ」は暮らしの中で何度も感じられる。首都であるヘルシンキには、駅や通りに便利な機能が揃っているのにもかかわらず、同時に驚くほど静かな空間も存在する。

その静けさを感じながら歩いていると、ふと「自分にとって心地いい音の量は、人によって違うんだな」と気づいた。そしてどうやら私は、この“静けさ”を楽しむのが好きらしい、とも思った。

だが、私の住む街にも例外がある。

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