「御社で学んで貢献したい」と転職を希望する人が、良い企業に絶対採用されないシビアな現実

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AI時代でも通用するスキルを新たに身に付けたいのであれば、まず今いる場所で実績を残すことです。そこから、今の経験を活かしつつも新たなことに挑戦することで、新たなスキルや経験を得る機会がうまれます。今の実績がなければ挑戦権が得られないのです。

今の仕事で成果を出していない人が、「もっとスキルが身に付く環境に行きたい」と言っても、それは説得力がありません。なぜなら、今の環境でも学べることはたくさんあるはずだからです。

今の仕事から学び取ろうとしていない人が、新しい環境に行ったら突然学べるようになるでしょうか。

AIの熱に流されて、焦って転職をしようとしても、「スキルを学ばせる機会を与える価値がある人材だ」と企業に思ってもらえなければ、適切な機会が得られません。AI時代だからこそ、まずは今いる場所で経験を積み、信頼を得たうえで成長機会をとりにいくべきです。

実績が先、機会はあと

誤解のないように言っておきますが、転職自体を否定しているわけではありません。今の会社・今の環境に未来がないと確信しているなら、転職すべきです。

しかし、AI時代に合ったスキルを身に付けたいのであれば、今の環境でもできるかもしれません。実績がある人なら、異動やミッション変更を申し出れば認めてもらえる可能性も高いですし、AIを使いたいなら会社に相談するという手もあります。

転職というのはどうしてもリスクを伴います。転職ありきで考えるのではなく、まずは「機会を与えられるにふさわしい成果を出しているか」ということを自身に問いかけてみてください。

成果が足りないのであれば、まずは認められるだけの実績を作ることです。そして、実績十分なのに今の場所では機会を与えられないということであれば、そこで初めて転職を検討するというステップを推奨します。

AIの流行にまどわされず、まずは自身の価値に向き合うことがより良いキャリアを歩むための鉄則なのです。

三浦 慶介 株式会社グロースドライバー代表取締役社長

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みうら けいすけ / Keisuke Miura

1983年生まれ。一橋大学法学部卒業。サイバーエージェント、リヴァンプ、グロース上場企業スパイダープラスのCMOを経て2025年に独立。ゲーム・小売・飲食・教育・建設Techなど幅広い業界で事業成長を牽引。会員数150万を超えるヒットゲームの開発、数百万人が利用するCRMアプリの企画・開発、年間数十億円を運用するマーケティングチームの内製化、1年で生産性を160%改善する営業改革など、業種・業界を問わない事業成果を実現。現在は「AI時代の人材育成×事業戦略」を専門に、事業成長の伴走支援と知見の体系化に取り組む。著書に『AI時代に仕事と呼べるもの』(東洋経済新報社)がある。

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