この年は前年から続く先生の指導が良かったこともあり、大きく成績が伸びます。
「夏と秋に受けた模試では東工大のA判定が出ました。河合塾の東工大模試もA判定まであと少しのB判定でしたし、赤本や過去問を解いた感じでもいけそうだと思いました」
この年には休学していた信州大学も退学し、退路を断ちました。
満を持して挑んだ共通テストでは694/900点という去年を超える点数で、特に物理では95点、化学では79点と、苦手だった理科で実力がついてきたことを実感する結果となりました。合格を万全にするためにも、滑り止めに慶應義塾大学の薬学部薬学科も受験する決断をして実際に受験します。
滑り止めのはずの慶應受験で失敗
しかし、この慶應の受験が、思わぬ失敗を呼び起こしました。
「実力を出し切れば合格できると思ったのですが、隣の席の子のペンがうるさく聞こえて、試験時間中ずっと気になってしまい、パニックになってしまいました。それで慶應に落ちたと思ってから、めちゃくちゃ落ち込んでしまって、勉強にまったく集中できなくなりました。慶應でのショックは東工大の入試の前日まで引きずってしまい、試験前日もまったく寝れなくなって、結局、東工大の受験を辞退するという嘘みたいなことになってしまいました」
慶應義塾大学は、最低合格点に14点足りずの不合格。後期試験では切り替えて北海道大学の工学部を受験したものの、こちらも最低合格点に24点差で届かず、惜しくも不合格となってしまいました。
こうして8浪目に突入したよしださん。まさかの全落ちとなってしまった7浪目を経て、この年は初めて「勉強が楽しいと思えた」と語ります。
「今まで浪人で勉強しているときも、ずっとゲームのほうが気持ち的な優先順位が上だったのですが、成績が上がって勉強面でわかることが増えて、この年は初めて勉強の優先順位のほうが上になりました。僕の集中力の限界は1日8時間なのですが、その時間はずっと勉強に充てることができたと思います」
前年度の受験でA判定は取っていたために模試は受けずに、1年間、家で独学で参考書をやっていたよしださん。メンタル的にも大変だったこの年は、それが原因で体調を崩すこともありましたが、共通テストでは新しく加わった情報で8割を取り、合計でも756/1000点を確保しました。


















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