加えて2008年、当時、フランチャイジーとして東日本地区約2200店舗を統括していた株式会社プレナスが袂を分かち、『ほっともっと』としてチェーンを拡大していることも無関係ではないだろう。
「顧客は40、50代が中心で、10~30代は少ない。なんらかのアクションを起こさなければ、ブランドも歳をとって忘れられてしまう。Z世代に向けた施策が、これからの50年を歩む上で非常に重要なポイントではないかと」(飯沼さん)
これまでも、アニメとのコラボでZ世代を集めたことはあった。売り上げには一時的に大きく寄与したものの、短期でのコラボだったこともあり、その後のリピートにはつながりにくかったそうだ。
Z世代のファン獲得へ!4つの挑戦とは?
2024年、危機感を募らせた青木達也社長はテコ入れのため、北海道日本ハムファイターズの観戦来場者促進に貢献した飯沼さんをマーケティング部の責任者として招聘する。また、約1年後には、スーパーやコンビニ惣菜など、中食の開発に従事していた信木竜司さんも商品開発責任者として招いた。
さらに、Z世代に詳しいコンサルタント会社と、Z世代社員の意見も取り入れながら、獲得に向けて4つの挑戦をスタートした。1つずつ見ていこう。
1つめの挑戦は、大阪・関西万博 大阪ヘルスケアパビリオン内での「ミライの海苔弁」の販売だ。テレビやSNSでみかけた人もいるかもしれない。タイパ重視のZ世代を意識して、「手軽に持ち歩けるサイズで、時短ながらもごはんとおかずを楽しめるように」と「片手で食べられる」スタイルで開発したのり弁である。
その名も「ワンハンドBENTO」。具材はのり弁そのままで、磯辺揚げをかつおぶしごはんとのりで包み、白身魚のフライをトッピングしている。ワンハンドBENTOとしてはほかにも、和牛、豚つくね、大豆ミートで作ったキーマカレーが登場した。
開発においては、部署を横断して「万博プロジェクトチーム」が起ち上がった。「SNSで情報がやりとりされる万博スタイル」を見越してZ世代の社員を中心に意見を取り入れ、「映える」包装紙や商品名を熟考。「片手で食べられる」スタイルにすることで弁当の概念を覆し、Z世代に振り向いてもらえるメニューに仕上げていったそうだ。


















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