「リュウジさんファンが多く来店し、売り上げに大きく貢献してくれました。『#バズベントウ』をつけてSNSに投稿してくださる方も多く、盛り上がりました」と飯沼さんは手応えを語る。
11月6日からは第2弾も始まっており、さらに同月には、こちらもZ世代に人気の「ギルティ(背徳感のある)メニュー」も別途登場。今後は、一過性のヒットをどう持続的なブランド価値につなげるかが問われる局面となっていきそうだ。
3つめの挑戦は、Z世代の「自分に合ったものが欲しい」という風潮に応えるべく2025年5月から発売した、「カスタマイズ弁当」だ。
モバイルオーダーで、おかず25種、たれ&ソース9種、ごはん&容器8種から自由に選べる(取材当時)。ゼロベースから、価格と内容に納得した「自分らしい」弁当が完成できる先進的メニューである。
まだ試験的に全国42店舗での展開だが、反響は大きく、導入を開始した2025年4月度と9月度を比較すると、モバイルオーダーの単価が104.1%アップする成果が出ている。
4つめはデジタル戦略だ。特に広告については、「莫大だった広告宣伝費を半分に削減し、デジタルで一から組み立て直している最中」だという。その中心となるのは、20万人(2025年10月時点)会員がいるアプリである。「売り上げを確実に作っていくオウンドメディア」という位置づけで、集客に直結する施策がなされている。
なかでも注目は、「あるエリアへの出入りや一定時間以上の滞在をトリガーにアクションを行う」“ジオフェンシング”技術の搭載だ。競合店舗の位置情報に客が入ると自動で通知を送り、「ほっかほっか亭が今お得だよ」と伝えたり、会員が最寄り駅到着時に「モバイルオーダーで購入いただくと便利ですよ」と通知するなど、1to1でメッセージを送っている。
「プッシュ通知を送ってすぐにモバイルオーダーする方が数%いますし、即日でなくとも数日後来店するなど、ダイレクトに売り上げに寄与しています。“行きつけの弁当店”の乗り換えや、帰宅時の購買導線の醸成につなげていきたいですね」(飯沼さん)
SNSで「創業フォント探し」が大バズ
一方で、SNSは「誠実さ」「親しみやすさ」「応援したくなる親近感」「遊び心」などの好意的感情を持ってくれる人を増やすことをゴールに、ファンマーケティングに取り組んでいる。
X、Instagram、YouTube、TikTok、LINE、中国で人気のSNS「RED」と幅広く活用し、ペルソナを設計した「ほっかほっか亭の中の人」が、日常的にフォロワーと他愛もないやりとりを継続。「ここぞ」という新商品発売のみ、プロモーションをする手法をとっている。
最近で言えば、10月8日に行った「創業時のフォント制作者を探しています」のSNS投稿が、Xで4400万ビュー、17万2000イイネを超える大反響に。


















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