すでに引退した試作車の9101編成は、東武の車両では一般的に側面の真ん中にある行先・種別表示器が車両の端にあったほか、屋根上には1両当たり4つの冷房装置が個別に並んでいた。量産車は表示器が車体中央にあり、冷房装置は台数こそ4つで同じだが、一体のキセ(カバー)で覆われているため1つに見える。
そして93年に登場した最後の編成、9108編成は、側面のコルゲートがない。ステンレス車両の製造技術が進化し、当時はすでにコルゲートのない車両が一般的になっていたためだ。
初採用の新機軸を盛り込んだ試作車、その結果をフィードバックした量産車、そして技術の進化を反映した最後の編成と、9000型は時代の変遷を映した車両といえる。
「副都心線直通」で大きな変化
登場からすでに40年近くが経った9000型だが、外観で車両形式がわかる鉄道ファンは別として、一般の利用者はそれほどのベテラン車両だとは思わないかもしれない。現在走っている7本、9102~9108編成は車内を大幅にリニューアルし、一見すれば新型車両と大差ないからだ。


















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