東武9000型「ステンレス車体に茶色の帯」の元祖 東上線の地下鉄直通用、少数派だが大きな存在感

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9000型は東武初のステンレス車であっただけでなく、ほかにもさまざまな新機軸を盛り込んで造られた。

先頭車両の正面は、中央に貫通扉のある左右対称の形だったそれまでの東武車両と大きく異なり、運転席のある右側の窓を大きくした左右非対称のデザインを採用した。前照灯と尾灯を縦に並べた四角いライトも特徴だ。

東武鉄道 9000型
正面は運転席のある右側の窓が大きい左右非対称のデザインだ(記者撮影)
【写真】前照灯と尾灯を縦に並べた角型のライト。かつてはもっと「四角」だった

「ソフトな外観」のステンレス車両

車体は当時のステンレス車両では一般的だった波状の「コルゲート」が目立つが、コルゲートのない窓の周りなどはつやを抑えた「ダルフィニッシュ」仕上げで、ギラギラとメタリック感のあった黎明期のステンレス車両と比べて落ち着いた雰囲気になった。

登場時のパンフレットには「ステンレスにありがちなつめたい感じを除去し、ソフトな外観となるよう配慮」したとある。

9000型 側面
9000型の側面。「ソフトな外観となるよう配慮した」というステンレス車体だ(記者撮影)
チョッパ制御装置 9000型
床下の「主チョッパ制御装置」(記者撮影)

外観だけでなく制御システムの面でも従来の車両から大きく進化し、省エネルギーの「主回路チョッパ制御」を搭載。ブレーキも、東武で初めて電気信号で制御する「電気指令式」を採用した。同社で初めての10両固定編成の車両でもあった。

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