「資料作りの正解がわからない」→自信のない人は知っておくべき、資料作りでプロが教える基本5選

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事実に対しては「それは本当か?」、意見に対しては「なぜそうなのか?」というスタンスがとれます。一方、区別がされていない場合には、どのように解釈していいのかがわからなくなります。

私の事故報告書の事例でも、「この事故の描写だけど、どこまで事実なの?」「事故の原因で書いてあることは事実なの?それともあなたの意見?」とよく聞かれました。

それが事実であれば、読み手は「本当?」と疑い、証拠があるか確認すればよいですし、意見であれば、「なぜそう言えるのか?」と疑い、論理が成立するかを確認すればよいわけです。しかしその区別があいまいだと解釈が難しくなってしまいます。

「シンプルさ」と「時系列」を意識する

④無駄な要素を省く

4つ目は「無駄な要素を省く」です

資料はシンプルなほどよいです。文章もシンプルなほうがいいですし、図表やグラフもシンプルなほうがよいと考えてください。資料作成していると「もう少し見栄えをよくしたい」と考えがちですが、それはお勧めしません。

新人時代に作成した事故報告書は、とにかく情報や図表、写真を盛り込んでいました。しかし読み手である上司からは「読みにくい」と何度も突き返されていました。

当時の私の資料はグラフの色を意味もなく変えてみたり、グラフを3Dにしたりと、要素をどんどん増やしていました。人間の情報処理能力は限られていますから、余計なノイズに気を取らせないように、極力シンプルにしましょう

⑤ストーリー仕立てを心掛ける

最後のポイントは「ストーリー仕立てを心掛ける」です

資料を読んでいて「なんでいきなりこの話が出てきたのか」と感じた経験はありませんか。それは資料にストーリーがないことが原因です。

資料に含まれるたくさんの情報を効率よく処理するためには、ストーリーで構成することが有効です。もちろん我々は作家ではありませんから、手の込んだストーリーを作る必要はありません。

流れを意識するだけでストーリーは作れます。例えば、話の流れを「過去→現在→未来」の順番で資料を作ります

私が事故報告書を作成したとき、よく指摘されたことが「事故発生の流れがわからない」というものでした。

事故がどのような経緯で発生したのかを理解するための資料であるにもかかわらず、過去と未来が混在したような書き方をしてしまい、「このことは事故発生の前からわかっていたの?」「結局、事故が起きたことでどんな影響があったの?」と追加の説明をすることがたびたびありました。

本来は起きた事象を時系列で整理するだけでも、わかりやすさは違ったのではないかと思います

以上、資料作りのおいて重要な5つのポイントについて紹介しました。

正解のない資料作りであっても、この5つを意識するだけで、読みやすさは格段に変わります。

皆さんも資料作成の際に参考にしてみてください。

堤 崇士 GLOBIS Asia Campus Pte. Ltd. CEO

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つつみ たかし / Takashi Tsutsumi

京都大学大学院経営管理教育部修了。東京海上日動火災保険株式会社入社。企業向け損害サービス部門にて、保険事故の原因特定、損害額算定、交渉業務に従事。その後、グロービスに入社し、製薬業界を中心に企業内研修やスクールを活用した研修の企画・設計・営業を担う。Ashridge Business School修了後、日本イーライリリー株式会社にて採用および糖尿病領域人事ビジネスパートナーとして勤務したのち、グロービスファカルティ本部にて講師育成、教材開発、研究業務に従事。現在は、シンガポール拠点の責任者として東南アジアにおけるリーダー育成および研究業務に従事。博士(経営科学)。現在はGLOBIS Asia Campus Pte. Ltd.CEO。

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