伝説の万引きGメンが不都合な真実を告発!「お店の真の敵は万引きではない」損失1.6億円超をもたらす"本当の犯人"の正体

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そもそも、なぜ人は万引きをしてしまうのでしょうか? その問いに、望月さんは実にシンプルに答えてくれました。

「答えはひとつ。『誰も見ていないから』です。見られていたら、人間はやらないもの。実際、犯行の動機を集計したなかでも、この答えが断トツでした」

犯行の動機の図
望月さんが見せてくださった「犯行の動機(万引)」の図(筆者撮影)

つまり、万引きが起きる店には、必ずと言っていいほど「見られていない死角(ブラインドスポット)」が存在するということになります。望月さんによれば、1フロアにだいたい3〜5カ所ほど、万引きができてしまうポイントがあるそうです。

「例えば、照明が暗い場所、通路が極端に狭い場所、そして商品の陳列が雑然としている場所。こういうところが危ないですね。長年の経験から、お店のレイアウトを見ただけで『ああ、ここだな』とわかるようになりました。社員を現場に派遣する際には、あらかじめ危険スポットを伝えるようにしています」

「量販店ロスの一番の原因は、万引きじゃない」

ここまで万引きGメンという仕事の奥深さについて語っていただきました。ですが、ここからが本当の“問題”です。

望月さんは「実は、万引き対策は、今となっては我々の仕事のほんの一部でしかない」と言い切ります。そして、長年のキャリアを積むなかでたどり着いた衝撃の事実を明かしてくれました。

「量販店のロスの原因として本当に深刻なのは、万引きではない。『内部不正』なんですよ。それも、最後に店を出ることが多い、店長クラスの人間によるものが非常に多いんです」

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