「上司ガチャに外れた」と嘆く人に欠けている視点 これほどコスパの悪い悩みはない
選択理論では、すべての行動は自らの選択であり、行動の動機づけは外部の強制ではなく内側からの動機づけ(内発的動機づけ)によって生じると考えます。
上司部下の関係の場合、自らの考えや行動をコントロールし、「どうしたらこの人の力になれるだろうか」と主体性を発揮する姿勢を「内的コントロール」と呼びます。これに対し、「どうして上司はわかってくれないのだ」のように自分の行動が他者や外部に規定される、あるいは他者を思い通りに動かそうとする考え方を「外的コントロール」と呼び、これは人間関係を壊していく原因であるとされます。
どんな職場でも成果を出すためには?
まさに今回、上司ガチャでは、この「内的コントロール」「外的コントロール」の考え方が非常に役に立ちます。状況を変えられないと嘆くのではなく、まず自分自身が変わることを選択するのです。どんな環境においても、プロとして成果を出し続ける人には、共通の原則があるのです。
まず大前提として、皆さんが本当に従うべきは、目の前の上司個人ではないということです。本当の上司は、上司の上位にある「原理原則」の方です。原理原則とは、例えば、会社員なら、企業が掲げる理念やビジョンや、お客様への価値提供といったものとなります。
仮にもし上司の指示が、お客様や会社に不利益をもたらすような、人の道に外れたことであったなら、その時ははっきりと「ノー」と言うべきです。それは決して反抗などではありません。同じ目的を目指す“同志”としての、誠実な対話と言えるでしょう。
しかし、職場は、原理原則に沿っている状況であれば、上司の指示には100%、いや120%の力でコミットすることが求められます。とはいっても、なんでもかんでもおべっかをつかって上司のイエスマンになるということではないのです。皆さんは、「原理原則のイエスマン」になるべきなのです。
上司の機嫌や評価は、皆さんにはコントロールできません。ですが、自身の行動と、そこから生まれる「実績」は100%コントロールできます。私は学歴も何もないところからキャリアをスタートしました。後ろ盾など何もありません。
ですから、私が信じられるものは「実績」だけでした。プロの世界は実績だけです。結果を出せば、誰も文句は言えません。実績は実在です。そして、その実績が最終的に皆さん自身を守ってくれるのです。
ですから、上司との人間関係に悩む時間とエネルギーがあるならば、そのすべてを「圧倒的な成果」を出すことに全集中することをお勧めします。それこそが、どんな環境でも自分を有利な立場に置く、最も確実で効率的な戦略なのです。



















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