「上司ガチャに外れた」と嘆く人に欠けている視点 これほどコスパの悪い悩みはない

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ここからが本題と言えるかもしれません。その「ハズレ」だと思っている状況こそ、皆さんの市場価値を飛躍的に高める絶好の機会になる可能性があるのです。視点をガラリと変えてみてはいかがでしょうか。

私はよく言うのですが、その相性の悪い上司との関係は、「異質の人と仲良くやっていける能力を開発する絶好の機会」であり、実は、最高のコミュニケーションのトレーニングになるのです。考えてみてほしいのですが、自分と気の合う、好きなタイプの人とだけ仕事をして成果が出せるというのは、学生のサークル活動とあまり変わらないのではないでしょうか?

将来、皆さんがリーダーになった時、部下は好きなタイプばかりでしょうか?そんなことは決してありません。いろいろな考え方、価値観を持った人々をまとめ、チームとして成果を出さなければならないのです。

その時に、今、「ハズレ」だと思っている上司と信頼関係を築き、動かした経験が、何物にも代えがたい財産になるのです。これが、未来のリーダーシップに対する、最高の「自己投資」と言えるのです。

主語を変えてみては

「上司ガチャ」で不幸にも、相性の悪い上司にめぐりあってしまった場合のアドバイスをお伝えします。改善の第一歩は、「なぜ私のことをわかってくれないのだ」という不満を手放すことから始まります。私が若い頃からずっとやってきたのは、まず「上司のことを大好きになってみる」ということからでした。

もちろん、いきなりそうなるのは難しいかもしれません。ですから、まずやるべきことは、「上司のいいところを見て認める」ことです。

そして、最も効果的なアクションの一つは、あらゆる仕事の局面において、自分自身の考えの主語を「私」から「上司」に完全に切り替えてみることです。

「上司は何を求めているのか?」「上司にとって一番大切なものは何か?」「上司が今、最も困っていることは何か?」

常に「上司」を主語にして物事を考える癖をつけてみることが大切です。そうすれば、「どうしてわかってくれないのだ」という不満は消え、「どうしたらこの人の力になれるだろうか」という“パートナー”としての視点が生まれてくるはずです。

このあたりについて明解に解説、理論化している世界的に著名な精神科医ウイリアム・グラッサー博士の提唱する『選択理論』をご存じでしょうか。

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